経営資源と価値

ヒト、モノ、カネ、そして情報の4つを経営資源といいます。企業は人材と情報を活用し、モノを生産し販売します。販売をもって得た資金を、人材の維持とモノの生産に再度費やします。

会社が経営活動をする上で、原料生産から製品販売まで行う事はほとんどありません。例えば衣類製造業のA社を考えましょう。A社は糸や布地を業者から調達します。これはA社から見ると「仕入れ」になります。仕入れた材料を加工します。完成した製品を販売するのですが、この時卸売業者へ販売するのがこれまで当たり前でした。しかし近年、卸売業者を介さず小売業者へ販売することがあります。これを「中抜き」といいます。また、最近はインターネットを通じてお客様へ直接販売することが増えました。これを「直販」と呼びます。

さて、このA社の製造において、例えばTシャツのプリントを自社でおこなえない場合、他社へ依頼する事になります。これを「外注」または「アウトソーシング」と呼びます。会社によっては「外部委託」ともいいます。経営資源を自社で用意できない場合は、外部から調達する手段が日常的に用いられています。会社というのは、お互いの利害関係を調整しながら、その時点でもっとも効率的かつ経済的な判断をしています。持ちつ持たれつの関係の中で、最高の価値を提供するためにすべての会社が存在しているのです。

では最高の価値とは何か。これは商品品質だけではありません。お客様にとっても重要とされるものが価値です。例えば高級ブランド品ならば上質な素材が必要でしょうし、的確な加工技術、一流のデザイナーも必要です。そして出来上がる商品は品質も高級であれば価格も高い。これが価値なのです。しかし逆の価値もあります。例えば100円均一がその1つです。商品は大量生産でありそれなりの機能となります。安ければ安いほど小売店からの価値が高いのです。

この価値について考えるには、学者マイケル・ポーターの提唱する価値連鎖(バリューチェーン)が有効です。
企業の行う活動は、購買活動から始まり、製造、出荷、販売、サービスの主活動と、調達、技術開発、人事労務管理、全般管理からなる支援活動に分類されます。マイケル・ポーター『競争の戦略』によると、価値は「顧客が企業の提供するものに進んで支払ってくれる金額のこと」と定義されています。この価値を主活動また支援活動のどこに重きを置き、いかに相互に連携させられるかが、重要と提唱されています。

高級ブランドの場合、例えばバッグは良い革を仕入れる事から始まり、高い技術での加工、独自ルートの輸送、ブティックでの販売、お客様志向の接客やサポートであることが重要ですし、どのデザイナーがデザインしたか、どの業者が運ぶか、どの担当者が販売するかが価値の高さを決めます。外注も含めた全体としてその意識は共通でなければ高い価値にはつながりません。新作の情報が漏洩しないこと、現場で働く人間の環境が整備されていること、必要な資材が良いものであり各現場に提供されている事など、総合的な管理力も求められるでしょう。

御社の場合はいかがでしょうか。御社のお客様にとっての価値はなんでしょうか。高い品質だけが価値ではありません。求められている価値が、商品の納期かもしれません。素材の良さかもしれません。接客力かもしれませんし、アフターサポートかもしれません。その価値の把握ができれば、その主たる価値の部分をいかにサポートできるかを考えれば、お客様の満足度を高められますし売上も向上することでしょう。

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