新型コロナウイルス感染症や歴史的な円安の進行、戦争による社会情勢の不安定さなど、企業は常にリスクと向き合いながら経営を行っています。これまで、バブル経済の崩壊やリーマンショックなど、いくつもの経済危機を経験してきた企業でさえ、現在直面している経済局面は経験したことのないほど厳しいものとなっています。
そのような経済状況の中で、社会人としての一歩を踏み出した新入社員の皆さんには、これまで以上に大きな期待がかけられています。それは日本企業が直面している様々なリスクに対応することに加え、新たな発想と新たな視点から、高い付加価値を生み出すことへの期待です。
日本全体の99.7%もの企業が中小企業であり、日本国民の7割が中小企業で働いています。中小企業は経済活力の源泉ですが、外部環境の変化にきわめて影響を受けやすい存在です。大企業に比べて経営資源が乏しいことがその理由です。そして先に述べたように、現在の経営環境は当然に中小企業にとっても過酷な環境を強いるものとなっています。もちろん大企業といえども昨今の状況は極めて厳しい経営環境と言えますが、大企業は、下支えする中小企業との共栄共存関係であることを忘れてはなりません。
さて、経営学を学ぶ意義は何でしょうか。企業は目標を実現するために存在する組織体です。物やサービスを提供し、利益を得、より成長することでその目標を実現しようとします。正しい経営を行えば、社会が豊かになり、利益をもたらし、相互に発展することができますが、間違った経営を行うと、社会に害をもたらしたり、会社が赤字になるのです。
社会には数多くの企業が存在しますが、企業のなかには、過去の成功体験で経営をおこなう企業が少なくありません。そして昨今の環境変化によって、過去の成功体験では対応できない社会的な変化が訪れようとしています。
新入社員の役割の一つは、会社の将来を担う人材となることです。みなさんが経営学を学ぶことで、経営の原理原則を知り、正しく変化するための大きな原動力になることを切に願い、微力ながら当サイトを更新したいと思います。