会社に入ると「今期の目標予算は3000万です」のように、「予算」という言葉が飛び交いますね。社員は皆、予算達成のために働いているようなものですが、この予算とは一体何で、どうやって決まるのでしょうか。
まずは定義から。予算とは、あらかじめ決めた数のことです。経営における予算とは、会社または各部門または個人が達成すべき売上目標や利益目標の事です。これは経営計画の根幹を担う部分で、会社の成長戦略の要となる数値目標です。
「今期の予算は前年度比110%アップの年商5000万円です。」と言われる場合、前年度に比べて1割頑張って上乗せして1年間で5000万円を売り上げましょう、という意味です。
予算はどうやって決まるのでしょうか
予算は主に、会社の会議で決められます。なお、予算について打ち合わせする会議を、予算会議といいます。予算は、役員会から必達目標として各部門に予算が与えられるトップダウン型と、各部門が作成した予算を役員が承認するボトムアップ型で予算が決まります。いずれの場合も、今期の業績と社会情勢を元に決められます。
会社の規模や市場が縮小しない限り、予算は上がり続けます。前年度よりも頑張らなくて良いとする会社が無いからです。「今年頑張りすぎたので来年は休憩しましょう。」という会社はありませんから、「今年これくらい行きそうだから、来期はさらに上を目指そう!」とするのが経営の、そして会社の務めです。
さて、予算というものはどのくらいの期間で決めるものでしょうか。これは会社によりますが、概ね1年2年3年5年で見ていきます。5年といえば長い期間です。長期ビジョンは売上目標、利益目標、店舗数、社員数などをざっくりとした数値で計画を立てます。もちろん、計画性に基づいた数値目標です。成長率を掛けあわせながら細かい数字を作り上げていきます。そうして来期の数字のベースが出来上がったところで、今期の業績をすりあわせ、実現できそうなラインを部署毎に割り当てて行くのです。(実際には様々な指標を元に算出されます)
予算決めで難しいのは、あくまでもモチベーションダウンにつながるような実現可能性の無い数字にならないようにすることです。今期月商5000万の部門に1億円を要求しても到底企業の空論としか思えません。月商5000万に月商7000万のような、手の届きそうな、しかし簡単には届かない目標と、達成に必要なヒントを与える事が予算会議のポイントになるのです。もちろん達成した部門に対しては相応の見返りを用意する必要もあるでしょう。
1年間の予算が決まったら、今度は部門内の各個人に割り振り、さらに毎月毎の月別予算表を作成し、毎月予算会議を開きながら、達成率の確認や部門の課題に関して打ち合わせをしていきます。
新入社員にも予算は付くでしょう。1年目から即戦力になることは難しいかもしれませんが、その分先輩や上司のサポートに回るように心がけるのも良いでしょう。達成した際のボーナスが出たら、その予算内でぜひご両親へプレゼントでも買ってあげてみては?