仕事は覚えることが多く、なかなか覚えられないことがあります。物覚えが悪い人、覚えるのが苦手な人は、それが原因で辞めたいと思ってしまうこともあります。
近年脳科学が進歩し、物事を覚える方法についても研究が進んできました。物覚えが悪いのは単に覚え方が悪いだけかもしれません。
改善方法を見ていきましょう。
自分の物覚えが悪い場合の改善方法
上に書いた通り、物覚えが悪いのは、覚え方が悪いだけの場合が大半です。
記憶は、記憶の方法を変えるだけで身に付く量が違ってきます。
見て覚えるのは無理
「仕事は見て覚えろ」と言う人がいます。ですが脳科学的に見ただけで覚えるのは高い能力が必要なんです。
ほとんどの人は見るだけで仕事を覚えるのは無理です。職人気質な人ほど見て覚えろといいますが、それで覚えるには想像以上に集中力が必要になる作業です。
覚えが悪いのではなく覚え方が悪い
立て続けに作業を見せられ、いきなり「ではやってみて」と言われて完璧にマネできる人はとても集中力のある方です。
何度も聞いて、「なんでできないの?ちゃんと聞いてる?」と言われると、自分は覚えられない病気なのではないかと心配になる事もありますし、物覚えが悪い自分に傷つき、辞めたい気持ちも芽生えてくるでしょう。
でも大丈夫です。覚えるコツをまずは知りましょう。
覚えるコツは正しく思い出す事
覚えるためのコツは正しく思い出す、という事です。
仕事はスピードが求められるので、焦ってしまいがちですが、記憶に焦りは禁物なので、リラックスできるように心がけておきましょう。
覚えたことを繰り返す
教えてもらった事は、忘れないうちに繰り返してみましょう。1度見ただけで出来るなら苦労はしません。ただ、その時は思い出せなくなるところまで「ここはどうでしたっけ?」と聞くのはやめてください。どうにも抜け落ちて思い出せない状況に直面してから、聞き直すようにしましょう。
それというのも、覚えるには「思い出す」ことが重要だからです。人間の脳は、思い出すことが多いものほど深く覚えていくのです。
覚えたことを人に確認する
とはいえ、繰り返せる事柄ばかりが仕事にあるわけではありませんよね。「今回は俺がやるからちゃんと見ておけ」と言われることは良くあります。
1日に1度しかない作業が仕事には山ほどあります。そんな時には、作業を見て、メモを取り、作業後に口頭確認をしましょう。
口に出して手順を確認し、可能ならばジェスチャーをしながら繰り返します。
覚えるメモの取り方

作業を見ながらメモを取る人もいると思います。メモを取る場合は、取り方にこだわる必要はありませんが、流れとポイントだけは押さえておきましょう。
手順通りに番号を振って、内容を書いていくと、多少メモの取り方がまずくても思い出すことが可能です。
メモを取ったら、その日のうちに清書しておきましょう。その時に、頭の中で作業状況を思い浮かべながらやると効率良く覚えられます。
清書したメモは教えてくれた人に抜け漏れが無いか必ず見てもらいます。
この清書したメモは、自分が次の人に教えることを前提として作ります。最低限の作業、必ず押さえておくポイントなども盛り込みましょう。
物覚えが悪い人への教え方
物覚えが悪い人も覚え方が悪いだけ
物覚えが悪い部下に仕事を教える時も、自分が覚える時と同じです。
覚えていないからといって、すぐに手を貸すことはせず、記憶を思い出させることを念頭において指導すれば、覚えやすい環境を作ってあげることができます。
新人が仕事を覚えないワケ
皆さん中には、新人が物覚えが悪く、どうすれば良いか分からないという方もいらっしゃると思います。
新人が物覚えが悪い理由は、もしかすると「作業の重要さが分かっていない」からかもしれません。
記憶は「覚える」という作業が重要で、当然ながら覚えようとしなければ記録されることがありません。
「とりあえず見といて」と言われれば、本当にとりあえず見てるだけのケースもあるので、大事な作業は、何がどのように大事なのか、作業のポイントはどこかを嚙み砕いて教えるのが効果的です。
物覚えが悪いことであるほど、実際にやってもらいながら、何が抜けているかを確認する作業が大切です。
覚えやすいように項目や手順で示す
覚えない理由の一つには、一連の作業が長すぎて混乱しているケースもあります。
覚えやすいキーワードをちりばめてあげれば、その負担も軽くなっていきます。
例えば「売上処理7つの手順」や「品出しチェック10の掟」などを作るのです。
ですが数は多すぎてもいけません。覚えられる範囲で、覚えるまで一緒に確認するのが重要です。
忘れてしまう項目があれば、その項目の重要性を説明してあげれば、その項目を記憶することに役立ちます。
いつまでも覚えられないのは病気ではない
人間は本来記憶することが得意な生き物だといわれます。
いつまでも覚えられないのは、そのことを重要だと認識できていないか、重要でないと考えても問題ないだろうと思っている可能性が高いのです。
何度やっても覚えられないなら、思い出せるきっかけを作ればいいのです。作業はテストではありません。
何度もイメージトレーニングをすることも有効です。とにかく何度も思い出してみて、思い出せなければメモを見たりしましょう。
過去に「忘れてしまった事」を忘れないようにすれば、2度目に忘れずに済む可能性が上がります。病気かもしれないと落ち込むのではなく、意識して思い出す、という事をまずは意識してみましょう。