ツーリズムを通じて、世界の人々の見識を高め、 国籍、人種、文化、宗教などを超え、世界平和・相互理解の促進に貢献する。
これはH.I.Sの企業理念です。素晴らしいですね。企業理念とは、会社が何を目指すか、何を行動指針とするかを明文化させたものです。
企業理念は新入社員にとって古臭いものだったり、どこか宗教臭いと感じたり、カッコつけに聞こえたりするかもしれません。ですがこれほど大事なものは無いのです。
企業は経営を行います。経営とは利益を生み出す行為なので、何をビジネスにしようと良いわけです。しかし実際には経営者の考え、また創業者の考えで事業領域がある程度決まるものです。H.I.Sは旅行業を事業領域としていますが、この事業領域のことを経営学用語で「ドメイン」と呼びます。主たる経営内容は旅行業ですが、誰に何をどこでどうやっていつ提供するかは、その時の気分次第というわけにはいきません。経営者には、どういった旅行業を提供したいという思いがあるのです。それが、企業理念にあらわれています。
H.I.Sは世界平和・相互理解を理念に掲げていますから、社会的責任もその実現に寄与する形で行われています。また、見識を高めさせるべく、各国をただ紹介するのではなく、季節に応じた提案や、現地での相互交流だけではなく、海外から観光客を集め、日本文化を伝える活動も行っています。
この企業理念という軸があるからこそ、H.I.Sの事業ドメインは旅行業からブレる事は無いのです。ハウステンボスを運営するのも、アジアの人たちに気軽に欧州を楽しんでもらうという企業理念から外れない取り組みになっています。この企業理念を社員が理解し、共有し、実践することによって、会社らしさ、いわゆる企業文化が出来上がっていくのです。
言い換えると、会社らしさを表す一言こそ、企業理念であると言えます。
古臭い言葉であっても、宗教臭い言葉であっても、それがあるからこそ、あなたが就職したいと思う企業になり得たのです。もう一度じっくり見つめてみると、新しい発見があるかもしれませんね。