そのデータはググっても出ませんでした
新入社員はウェブ世代だからこそリアルに頼れ
上司「おい、新入社員君。報告書見たけど競合新商品のメインターゲット情報が抜けてるのはなんでだ?」
新入社員「はい。そのデータはぐぐっても出ませんでしたので、多分無いです。」
そんな話あるものかと思うあなたは正常ですが、これに似た問題は実際によく起こります。インターネットの検索に慣れている世代。すべての情報はGoogleもしくはWikipediaにあると考える世代。
効率的である事は確かですが政府発表情報、調査機関の情報以外にそれらのデータの信憑性は怪しいものです。Wikipediaであってもその内容は日々更新されている事が多いので注意が必要です。
あなたが社内で依頼される調査を、まずネットに頼る事は否定しません。ですが肝心なことは一次情報の発信者を見つける事です。
情報には発信者とそれを伝達する者が存在します。発信者が一次情報であり、それを共有したものは二次情報です。あなたが見つけたその情報は四次情報や五次情報である可能性が高いのです。その間伝言ゲームのように伝達者の意思が入り、一次情報に手がつき足がつきという状態になっているかもしれません。
少なくとも「この情報の出典を書け」という欄に「NEVERまとめ」と書く社会人はいないと信じたく、「各店舗店長ヒアリング調査」などであってほしいものです。一次情報に近づく調査を心がけてください。
商機はリアルに転がっている
楽天の口コミを調査するのも良いですが、やはり実際の店舗でお客様の声を収集することも重要です。お客様の中にはフレンドリーな方も多いので、そうした方を見つけては商品やサービスについてざっくばらんに聞き取り調査をする。そうした一次情報にはデータでは得られないお客様の微妙なニュアンスも含まれます。そこから新たなビジネスの種が生まれるのです。
またビジネスセミナーをネットで見る方も多いでしょうが、本当に重要なポイントや裏話はリアルの参加者にのみ懇親会で伝えられるケースも非常に多く、また参加者同士の横のつながりによって共同事業に発展することも珍しくはないのです。
インターネットには様々な情報が掲載されていますが、何気ない一言や雰囲気、温度、匂い、音、感触といった五感情報は実体験でなければ全く説得力がありません。
経験こそすべて!ネットには無いあなたの強み
求められている物はデータではなく経験
競合企業の商品について調べてくれと調査された際に「インターネットによると」という情報を上司は求めていません。「実際に使ってみましたところ」というあなたの経験こそ求められているのです。
当サイトを見てマーケティングを学ぶ事も重要ですが、その知識を得ても経験が無ければ応用は出来ないでしょう。現場で実際に試し、調整し、自分だけの「うまくいく法則」を作り出すことが大切なのです。
担当者とのネット上だけのつながり
今や会社間のやり取りもメールだけという事も多いでしょう。毎日メールの業務連絡をしているのに、その人とは会ったことがない。しかし機会があればぜひ会ってみるべきです。その後のやり取りは極めて円滑に進むでしょう。人となりが分かるということは重要なことです。その人の性質にあったメールの文脈にもなるでしょうし、相手が重要視する事が何かも把握でき、より効率的に進むはずです。
ビジネスは人と人との結びつき
結局ビジネスは人と人です。相手に好かれれば買ってもらえますし、相手に嫌われればどんなに魅力的な商品も売れません。インターネットでは相手の雰囲気までは掴みづらいのです。例えウェブカメラを使用したとしても。それは人もそうですし商品やサービスも同じです。
物を売るということで最も大事なことは経験・体験です。経験談や体験談のようなストーリーこそ販売において、また他者を説得することにおいて重要な要素です。
自動車販売のトップセールスマンが行う事は何だと思いますか。住宅販売のトップセールスマンが日頃何をしているかご存知でしょうか。彼らは顧客とのつながりをいかに大切にするかだけを考えています。今買って頂けなくても、将来第一候補になれる努力を続けているのです。メールでの連絡、電話での挨拶ではなく、実際に訪問し、子供の成長をともに喜んだり、おいしいパン屋の話をしたり、そして最後にパンフレットについて2分3分話す程度です。ですがそれだけで彼らはトップセールスを記録するのです。
あなたブランドを作りなさい
一次情報をあなたが発信できればどうでしょうか。その情報を求める人があなたに集まってきます。では二次情報を提供していればどうでしょうか。その話の主人公を紹介してくれと言われるだけです。
どうしたら一次情報を発信する側に回れるのかを真剣に考えてください。あなただけの情報、あなたが情報源となれれば、あなたの価値は上がります。必要とされる存在になります。あなたの経験、体験、それによる感想を多くの人が必要とします。そしてそれが価値ある情報であれば、あなたのおすすめする商品が売れるのです。あなたの一次情報の精度が高ければ、会社内でも頼られる存在となるのです。
答えは現場にしかありません。パソコン画面より見るべきは、現場という事です。その努力が実った時に、「君が言うなら買うよ」「君に頼みたいんだ」という言葉がもらえるようになるのです。