わかりやすさを最も重視する
言葉足らずの罠
社会で生じるクレームの大部分はミスコミュニケーションから発生します。つまり、「説明が足りなかった」「理解が得られていなかった」「要求に応えられなかった」などです。
例えば上司から資料作成を依頼される際に「明日までにこれやっといて」「あの件どうなった?」と言うだけの先輩上司は五万といます。これ、それ、あれといった、省略の言葉は誤解の元です。
先輩「明日までにこれやっといて」と依頼した本人は朝一にもらうつもりで頼んだ時に、「分かりました!やっときます!」と受けたあなたがもし明日終業までにと考えていたら、あなたは朝一で先輩から怒られますよね。
先輩は「明日の朝9時会議までにこの業務報告書の印刷をお願いします」というべきでしたし、あなたも受ける際に「分かりました!業務報告書の印刷ですね?何時までに何部、どこにお持ちしましょうか?」と尋ねるべきです。
言葉足らずの意思疎通は高確率であなたに怒号をもたらします。
常に自分はどうかを意識する
あなたは誰かとコミュニケーションを取る時に、ちゃんと伝わったかを意識していますか?相手には早とちりをする人もいます。都合の良いように自己解釈をする人もいます。ただいずれの場合も、立場の弱い新入社員のあなたのせいにされやすいのです。自分の身は自分で守らなければなりません。ただ、新入社員のあなたが上司に「今の内容ご理解頂けましたか?簡単に言ってみてください。」とは言えないですよね。そんな時には説明がある程度終わった後で、「再確認させていただきます。●月X日13時に城東区にて佐藤様との打ち合わせ、当日は私と山田さんが対応にあたり、現地にて鈴木部長と合流する。資料は私がお持ちします。」という事を口頭説明した後で、担当者にリマインドメールを流す事が重要です。
時間が無い時は焦っているため、ついつい面倒な確認や説明を省略しがちですが、焦っている時だからこそ丁寧に伝えるようにしましょう。自分の説明に誤解を生む点は無かったか、常に考えておく事をお勧めします。
わかりやすさの基準は小学生
わかりやすさとは、小学生でも分かるかどうかという事です。小学生で分からないような専門用語や業界用語を使っていないか、常にチェックしましょう。
とくに個人のお客様商売では、相手は理解できないために購入しない事があります。丁寧に説明をすると「なんだそんなに便利なのか!」と驚いていただけるとともに「わかりづらいよね」とオマケの言葉を頂く事が多々あります。小学生でも理解できる内容で話す事がとても大切なのです。
「トップにバリが張ってて摩擦がピークだからサイドで削ってあげて」などと専門用語を言われても、素人はさっぱりなのです。そして大部分は「分かりました」とその場しのぎで去っていくのです。
メールで起こるミスコミュニケーション
あなたの味方 CC BCC
メールには、宛先の他に、CC(送信相手に見える)とBCC(送信相手には見えない)という機能があります。
通常、宛先には担当者、CCには関係者を入れます。担当者、関係者に見せる必要が無い場合BCCを使います。
これは私が体験した理不尽なクレームと、私を守ってくれた上司の話です。
ある日私は、お客様が現場で実践している節約事例を集めて報告書を作るようにと命じられました。私は各担当者に「次回の節約術セミナーで使用したいので、節約に取り組む現場の写真を送って下さい。」とお願いをしました。ほとんどのスタッフはお付き合い先がリサイクルボックスを設置している写真や、蛍光灯を2本から1本にしている写真などを送ってくれましたが、1人だけ会社の玄関、職場の風景、駐車場の写真という、全くテーマに沿わない画像を送ってきました。
私はそれが使えない写真と判断し、報告書には掲載せず、予定されていた締め切りより大幅に前に、担当者全員に対して報告書をメールで送りました。
その報告書はセミナーで使用され、セミナーは大盛り上がりで終了。ところがその晩、先輩から電話がかかってきました。いきなりの怒声で「俺の担当した会社が写ってないのはどういうことだ」というのです。私は節約がテーマであることを説明し、その写真がそぐわなかった事を伝えると「俺のせいにするのか!」とさらに激昂する始末。「俺の代わりに相手会社に謝りに行け」とまで言われました。新入社員であった私は、やむなく上司に相談したところ、上司は「メールでもらっているから確認していない先輩の責任だ。俺が言ってやるから心配するな。」と私をかばってくれました。
私は担当者にはCCで、上司にはBCCで連絡を入ていたので、上司はその事を知っていたのです。(新入社員の私のメールは絶対に上司をBCCに入れる決まりだった)
翌日、怒声を浴びせた先輩は、逆に上司から怒声を浴びせられ、「「先輩」の確認不足で「私」は悪くない」と叱られていました。
私の伝え方を先輩が誤解した事によるミスコミュニケーション。違う写真が届いた時に私も連絡をすべきでしたし、確認メールを送った時に、閲覧したら一言教えるように伝えるべきでした。私にも非がありましたが、BCCを使っていなければその非はすべて私にふりかかるものでした。
BCCはいざというときの保証に使えます。もちろんすべてのメールを送るわけにはいきませんが、大切なシーンで第三者に見てもらう事は重要です。
ミスコミュニケーションを防ごう
ミスコミュニケーションを防ぐには、相手の理解を確認する事が大事です。
どこまで理解したかを確かめたり、メールを確認したか口頭で聞いたり。
「先ほどメールした●●の件なのですが」など相談をもちかけるフリをするのもいいでしょう。
ミスコミュニケーションを防ぐためには、直接話をすることが一番です。メールや電話に頼らず、対面で確認をする癖をつけましょう。