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新入社員でも出来る商圏人口の調べ方

商圏人口の調べ方

商圏について詳しく知ろう

商圏とは、お客様があなたの店舗へ来店する範囲のことです。分かりやすくいえば、お客様がいる範囲のことです。あなたの店舗から遠ければ遠いほどお客様の来店可能性は低くなります。あなたの店舗の商圏内に済む住民数を商圏人口とよびます。

商圏の範囲と商圏人口を正しく知ることによって、チラシを効果的に配布することが出来ます。経費を削減することによって、利益を最大化できることにつながります。

商圏分析の前に実態を見てみよう

商圏人口を調べる前に、実際にどのようなアクセスであなたの店舗に来店しているかを考えましょう。アクセスの方法は大きく3つ。徒歩、自転車、自動車です。
あなたの家から見える位置のお店に車は使いませんよね。同様に5km先のお店には自動車を使うでしょう。
店舗から500m以内 徒歩
店舗から2km以内 自転車
店舗から2km以上 自動車

さて、ここで注意すべきは自動車の来店範囲です。

地元密着型のスーパーやドラッグストアは5kmが商圏となります。
ホームセンターや郊外型の家電量販店では10kmが商圏となります。
地方のイオン系大型ショッピングセンターでは50kmが商圏となります。
百貨店など都市型ショッピングセンターになると、80kmが商圏となります。

あなたの店舗がどの業態に近いかによって判断すれば商圏設定が定まってくるでしょう。

実際に商圏人口を調べてみよう

商圏マップをつくろう

商圏人口が何人かを調べるために必要なものは、地図と各都道府県の市区町別・町丁字別人口のデータです。人口データは市区町村のウェブサイト上で公開されています。

さて、地図でまずはあなたの店舗を中心にしましょう。縮尺の大きさですが、町名や何丁目といった情報が出る縮尺にし、印刷します。1枚目の印刷が済んだら、その周辺の地図も印刷をしていきます。そして商圏の広さの地図がすべて印刷できたら、それらを1枚に貼り合わせてください。

商圏の境界線を描こう

印刷した地図を貼り合わせると、1枚の巨大な地図が出来上がります。まずはその地図に半径500mの円、半径2kmの円、半径5kmの円、半径10kmの円を描いて下さい。それがあなたの店舗の商圏サークルです。

しかし商圏は円ではありません。人間心理では、「おっくう」「めんどくさい」「遠い」といった心理的状況が生じる条件があります。それが「片側2車線以上の道路」「高速道路」「一級河川」「線路」「山」などです。

商圏外

例えば上記の図で、赤い円周が商圏サークルとする場合、一部高速道路と一級河川がかかっている部分があったとします。この場合そこで商圏が分断されると仮定されるため、黄色の斜線の部分は商圏外であると判断できます。こうした分断要因を考慮すると、円ではなくいびつな形になる場合がほとんどです。
ただし、この商圏分断要因の設定は、最大商圏サークルにのみ適用します。

ベッドタウンなどでは、この円周付近に人口密集地や団地が当てはまる事がよくあります。真円のままにしておくと、本来は来る可能性が低い人口が数千人単位で上乗せされることも事実よくあるのです。

町丁字別の人口数を調べよう

さて、商圏マップが完成したら、あとは地図に記載されている町丁字の部分に、それぞれに該当する人口数を書いた付箋を貼っていきましょう。
貼り終えたら、それぞれを集計すれば完成です。これで商圏内に何人が住んでいるかが分かります。非常に手間のかかる作業ですが、このマップさえあれば、どのエリアに何部チラシを配布すれば良いかが一目瞭然となります。

利用方法

徒歩圏の人口、自転車圏の人口、自動車圏の人口それぞれが判明すると、一人あたりの購入金額と商圏人口と市場シェアを掛けて目標売上高が設定できます。
例えば、1人あたり1000円の客単価で、商圏人口5万人がいる場合、全員が利用した時の最大売上高は毎月5億円となります。そのパイの何%をあなたの店舗が獲得できるかで毎月の目標売上高が定まります。5%シェアだとすると250万円の月商になるでしょう。

出店計画を持つ場合に、商圏内では10万人居るけれども、そのうち7万人は商圏エリアギリギリにある団地に住んでいるなどが分かれば、魅力的ではない事がわかり、失敗せずに済むでしょう。

チラシ配布の際に業者の言葉に言いなりになる事無く、的確にターゲットにアプローチすることも可能です。
ポスティングの計画にも非常に有効なツールとなります。
1枚作ってしまえば、ずっと使えるのが手作り商圏マップの良さです。

様々なシーンで有効活用できる商圏マップ、一度作成することをおすすめします。