
マーケティングとは何か
米国マーケティング協会によるマーケティングの定義
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
なぜマーケティングが必要なのか
新入社員が会社に入ると当然のごとくマーケティング用語が飛び交っていることでしょう。マーケティングの定義には「価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換」とあります。日本では「売れる仕組み」と一言でまとめられる事がありますが、重要なのは相手に伝達・配達・交換するときの価値を正しく(あるいは評価以上に)認識させられるかどうか、ということです。
マーケティングは、あなたが提供する物やサービスを、正しい価値で受け渡し、正しい対価をもらうために必要なプロセスだから必要なのです。
マーケティングとは何をすれば良いものか
「マーケティングを担当してくれ」と新入社員が言われる事はあまり無いと思いますが、マーケティングを任せられた時に4Pや4Cなど難しい事が出てくるかもしれません。
こういう時こそ簡単に考えましょう。マーケティングとは次の事を徹底的に考える事です。
「どこで、何を、いくらで、誰に、どうやって売れば利益が最大になるか。はじめてのお客様をどうやって獲得し、どうやってもう一度利用させるか。」
マーケティングの4P
マーケティングを分解すると、以下の4つに分類できます。それぞれの頭文字をとって4Pと呼ばれます。また、これらを合わせてマーケティング・ミックスといいます。
Product 製品
マーケティングにおいて製品には、製品、サービス、品質、デザイン、ブランドなどが含まれます。いわゆる商品力の部分です。マーケティングにおいて最も重要だと考える方が多い商品力です。
お客様に価値があると思われる製品はどうやって作れるか。作った製品の価値をさらに高めるにはどんなブランディングが効果的かなどを考慮しましょう。
Price 価格
販売する上で価格は大変重要となります。提供する製品の価値がどれほどか把握することは極めて困難だからです。人はそれぞれに相場観を持っています。その相場よりも安ければ購入のハードルは低くなり、逆に高ければ当然売れにくくなります。適正価格を決める事は十分に市場調査を行う事が必要となります。
Place 流通
「どこで売るのか」を決めるマーケティングです。あなたの製品が本当に価値のあるものならば、百貨店で飛ぶように売れるかもしれません。百貨店で売れているものを近所のスーパーで売ると高くて売れないかもしれません。あなたの製品を求める人がどの市場にいるのかを調査しましょう。
Promotion プロモーション
一言で言うと「どうやって売るか」。テレビコマーシャルで大々的に告知するほか、地域密着でチラシを打ったり、ホームページで販促をしたり。そのほかスタッフのセールストークもプロモーションに含まれます。このプロモーションによって適正価格を高める事も出来ます。
以上の、何をどこでいくらでどうやって売るかを戦略立てる事が4Pのマーケティング・ミックスです。
4Pを顧客視点から見た4C
4Pは企業の視点からマーケティングを分解したものですが、購入する消費者視点で分解したものを4Cと呼びます。
Customer Value 顧客にとっての価値
4PのProductの顧客視点です。会社がどんなに価値のあるものや世界に自慢できる製品を生み出したと思っていても、それが顧客にとって必要とされなければ意味がありません。顧客の便利を追求したり、どんなものがステータスとなっているかをしっかりと押さえた製品であるか考えてみましょう。
Cost to the Customer 顧客の負担
価格を決める事を顧客視点で見ると、お客様がどの程度支払う必要があるか、ということになります。
あなたの商品にはターゲットが居るはずです。そのターゲットの年収はいくらですか?購入するメインのお客様を想定する事で、より購入可能性の高い価格設定が可能となります。高級ルームシアター30万円を売る場合、年収300万円の方はあまり手を出さないでしょう。ですが年収500万円以上であれば対象になるでしょう。
Convenience 入手の容易性
簡単に手に入るものか、適切な場所で売っているかということです。ターゲットの行動範囲にあなたの商品を置いておく必要があります。行動範囲さえ分かれば、その範囲内でのみ営業活動を行えば良いのです。
Communication コミュニケーション
あなたの会社とお客様の距離感です。お客様の声を代弁する者として、販売店スタッフが間に入ることもあるでしょう。正しい知識をショップスタッフが持っているか。お客様の声はショップスタッフからあなたに届く仕組みがあるか。直接お客様との対話をする機会があるかどうか。
マーケティングを成功させるポイントは相手を想像すること
あなたの商品を買うのは誰か。その仮想顧客を作り上げる事が成功の近道です。
一般消費者であれば、名前、性別、年齢、家族構成、年収、月収、世帯年収、趣味、よく利用するお店、好きなブランド、いつか買いたいブランド、よく読む雑誌など、思いつくままに仮想の人物を作り上げるのです。
その人に買ってもらえるほどの魅力があなたの製品にありますか?どこで買えますか?購入可能な価格ですか?どこであなたの製品を知り得ますか?いつ使ってもらえますか?どんなパッケージだったら手にとってもらえますか?
あなたの商品を知ってから購入し、家で使うまでを事細かく設定出来るかどうか。もちろん現実的でなければなりません。この内容を詰める上で、4P4Cのフレームワークが非常に有効になるのです。