経営戦略

既存顧客の休眠理由と新規顧客の獲得方法

新規顧客とは、はじめて自社サービスを利用するお客様の事です。反対に何度も利用してくれるお客様はリピーター、既存顧客、お得意様と呼ばれます。

店舗運営をしていると、この新規顧客の獲得をどうするかが重要な課題になります。なぜなら、既存顧客は減っていくためです。

なぜお客様は減っていくのか。実はこの問題を真剣に考えている店舗は少ないのです。(頭では分かっていても実際に解決に動く手段を見出だせない)
今まで来てくれていたお客様がぱったりと来られなくなった。そういう事例はどこにでもあるでしょう。実際に何が原因かは本人しか分かりません。

  • 他に利用しやすい店舗が見つかった
  • 商品・サービスが必要ではなくなった
  • 商品・サービスが買えなくなった
  • 接客が気に入らない
  • 単純に忘れられた

おおむね上記のいずれかに当てはまるでしょう。
企業が注意するものは、いつも決まって1番目「競合企業の存在」です。お客様はどの店舗かを必ず利用していると思っているためで、競合他社に負けないようにとあの手この手を講じようとします。

お客様の中には、その商品サービスが必要ではなくなるケースが起こりえます。例えばペットショップ。ペットが居るからこそ利用するペットショップですが、不慮の事故などでペットが死んでしまった時、死んでしまった後も利用し続けるユーザーは稀でしょう。自動車メンテナンス工場の場合、自動車を手放したユーザーは来る事はありません。中には「もう一度始めませんか?」という掘り起こしが可能なものもありますが、追うは易し戻すは難しで追いかける労力はかけるべきではありません。

では3番目、買えなくなったケースを考えてみましょう。
例えばタバコ。子供が出来て禁煙を必要とする人は相当数います。この場合禁煙グッズが代替品として上がってきますから、新たな商材を届ける事は可能です。ただ、消費税増税の折値上げになり、経済的に買えなくなったという人の場合はどうでしょうか。そもそも買えないお客様を引き止めるには、自社商品を値下げする必要、低価格商品を出す必要、買えるペースを提案する必要が出てきます。

4番目の接客が気に入らないというケースはどのショップにもあるでしょう。しゃべり方だったり、センスであったり、時には匂いや苦手な顔という生理的に無理というお客様も存在します。ですがよく聞く理由は「無愛想」です。あのお店に行くと気分が悪いから別のお店にという人もいれば、あの店員がいる時間は避けよう、というお客様もいます。ビジネスは人と人とのお付き合いですから、「人」の教育は非常に重要なのです。

最後に5番目です。単純に忘れられたお客様のことを、「休眠顧客」といいます。特に理由も無いけど必要性に迫られてもいないので利用しない人です。今買わなくてもいい物を扱っている店舗にはこのお客様が増えてしまいます。休眠顧客はお店が嫌いになったわけでも、商品が不要になったわけでも、店員を気に入らないわけでもありません。単純に忘れているのです。

忘れられる原因はCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)ができていない事が要因です。いわゆる売りっぱなしの状態で、アフターフォローも無い。コンビニやスーパーなど、大勢に販売する会社では難しいかもしれませんが、顧客管理が出来ている会社では、ダイレクトメールなどを送るなどの取り組みがとても有効なのですが、これを怠る会社は驚くほど多いのです。定期的に休眠顧客に企業側からのアプローチをしなければ、休眠顧客は永遠に目覚める事は無いかもしれません。

企業はいかなる企業努力を続けようとも、お客様は減っていくという現象からは逃れられません。お客様が減るということは売上が減る事と同義ですから、売上を上げるためには、新しいお客様を呼び込まなければならないのです。
そのための方法として最初に思い浮かぶものは広告です。
広告は商圏内でまだ利用していないユーザーにアプローチすることが出来ます。定期的にチラシを入れたり、DMを入れたり。費用はかかりますが、大勢に一度にアプローチできることは魅力です。

低コストで新規顧客を集める方法としては、ティッシュ配りや協力店にチラシをおかせてもらうなどもありますし、既存会員に新規顧客を紹介してもらう事も手段の1つです。店舗でのキャンペーンを催し、その看板や旗をお店の外に並べるだけでも効果はあります。出来る事は意外とたくさんあるのです。

最も効果の高い方法はマスコミを利用することですが、これは話題性が重要になりますので、さらなる戦略が求められますが、一度取り上げられると爆発的に新規顧客が増加し、さらに効果は長期間に渡り持続することも珍しくありません。

最近ではSNSに積極的に投稿することで新規顧客をファンとして獲得することも重要視されつつあります。

既存会員の脱落を極限まで減らし、新規顧客を効果的に呼びこむ事は、会社経営において最も重要なテーマの1つです。自社にとって今何をすべきか、新入社員のうちから考える癖付けが出来れば、将来決定権を得た時に、より素早く動ける事でしょう。