読んでもらえなくても日報を書く意味
このサイトでは新入社員の日報作成を何よりもお勧めしています。その理由は以下に。
日報とは、一日の業務を終えた報告書です。
一日どんな内容の仕事をしたのか、誰と会ったか、どんな話をしたか、何を得たか、そのフォーマットは会社によって様々です。
紙面で提出させる会社もあれば、メールで送らせる会社もあります。当然、義務としていない会社もありますが。
新入社員の頃は、日報は面倒だと思いがちで、ついつい手を抜いたり、忘れたりします。
手を抜いたり、書き忘れる事はなぜ起こるかと言えば、書く意味が見出だせなかったり、読んでもらえている実感が無いからです。
メールで送っても返事が返ってこなかったり、提出してもその話題が出なかったり。だからついつい簡素化になりがちです。
ここで日報を書く意味について考えていきましょう。
日報の意味1.あなたの”今”を伝えるため
日報はあなたが今どんな業務をし、何を問題と捉え、何に苦戦し、何を大事に考えているかを伝える手段です。報連相のすべての面を兼ね備えているのが日報・週報です。
もし日報に対して上司とのコミュニケーションが図れるならば、ぜひ積極的に相談をしてみましょう。
「もっと効果的な営業トークは無いものでしょうか?」
「より効率よく動きたいのですが、妙案はありませんか?」
「これが重要だと気づきましたが、正しいでしょうか?」
「~? よろしくお願い致します。」と終えると返答率が上がるでしょう。返答が無い場合は別途相談してみることをお勧めいたします。
日報の意味2.数値やスケジュール管理、課題管理
日報に自由欄があれば、売上の進捗管理や目標接客数まであと○名、今月の予定や○○を成功させるなどの目標を書き込みましょう。日々自分の取り組みがどこまで進んでいるのかを管理し、他者に宣言することでモチベーションを維持するには日報という媒体はもってこいです。
「今日得た知識:○○」
「今日の名言:○○」
「今週の目標:○○」
それは積もり積もってあなたの自信につながるでしょう。
日報の意味3.あなたを守る
当サイトが日報作成をなぜおすすめするか。なぜ毎日書くことを推進するか。日報はあなたの身を守るからです。
日報を書くタイミングは一日の終わりです。帰社する直前という会社がほとんどでしょう。
あなたが日報を書いているなら、必ず以下の内容を守って下さい。
・メール日報はBCCに自分のプライベートアドレスを入れておく
・紙媒体の日報は必ずコピーもしくは写メを撮る
・紙媒体の日報は必ず記入時間を書く
勘の良い方ならお分かりですね。
実は日報はブラック企業対策になるのです。
※メール送信をする場合には、会社の情報セキュリティ規約を最優先としてください。
日報はブラック企業対策の証拠
ブラック企業のほとんどは、帰社時間を捏造します。サービス残業を消すためです。逆に出社時間はいじりません。
例えば業務時間が8時~17時の会社だとして、あなたは毎日21時まで残業を強いられていたとしましょう。タイムカードは上司が改ざんし、17時きっちりに退社させられた事になったとしても、あなたの日報に正確な退社時間が書いてあったらどうでしょうか。それはあなたがその時間まで会社にいたという何よりも貴重な証拠になるのです。
時間は書くなと言われたら
日報に記入時間を書くなと言われたら、時計と一緒に写メを1枚取りましょう。時間を控える事が何より重要になります。あの手この手でとにかく日々証拠を残していきましょう。
よく、出社時間と退社時間を手帳に記入する方法をとる人がいますが、これは信ぴょう性という面では微妙なラインです。しかし会社への提出物や、会社からのメール記録があれば、それだけであなたの帰社時間を立証出来るのです。
残業代未払い請求はどうやるの?
もちろん残業代請求は何かと波風の立つ話ですが、泣き寝入りするよりも当然の報酬を得たいと考えるならば、証拠を1つでも多く集める必要があるのです。
さて、まず残業代の未払いについては上司に直訴しましょう。上司が聞く耳を持たない場合、労働組合があれば担当者へ相談してみましょう。何事も会社を通す事が筋です。その交渉のシーンには出来ればボイスレコーダーを忍ばせておくと良いでしょう。そこで認められれば良いですが、認められない場合労働基準監督署の出番です。
その時、こうした日報送信時間記録が毎日あれば、休日出勤もサービス残業もしっかりと請求することができるでしょうし、労働基準監督署も申告を受けた際に動きやすくなるのです。
業務は業務だけども、上司の言い分
最後に、よくある会社の言い訳をご紹介します。
「新入社員のうちは会社に貢献できないのだから、身を粉にして働くのは当然である」
「残業をするに値する仕事をしていないのに、請求だけは一人前なのは筋が違う」
「残業しなくても良いように努力を先にすべき。だらだら仕事するから悪い」
どれも新入社員の実力を否定する名台詞たちです。
さて、あなたの働き方や貢献度はさておき、法律上は会社が拘束している時間、それに見合う対価を支払う義務を負っています。あなたがどんな働き方をしていても、会社に拘束されており帰宅できなければそれは請求権を持っているのです。
会社の言い分は当然の事。働きの悪い者には払いたくないと思うものですが、それと法律は関係ありません。
もしあなたが泣き寝入りをするのが嫌で、しかし波風は立てたくないのであれば、労働基準監督署への匿名相談も可能です。自分の身は自分で守るしかありません。しっかりと証拠を揃えておきましょう。ただし、やはり効率よく仕事を進めるのは社会人として当然の事。残業しなくても良いような取り組みが出来ないかは常に考えて下さい。
日報とはだいぶ論点がずれましたが、一番言いたかった事は身を守るという事ですので、何卒ご容赦ください。