経営学

組織とは | 経営は組織を作ることから始まる

会社に所属する人は、もれなく組織の構成員と定義されます。では組織とはいったい何でしょうか。経営学は「組織」を定義することから始まります。それは経営を行う会社が組織によって運営されるものだからです。

組織の定義でほとんどの書籍が参考にするのがバーナード[1938] 『経営者の役割』の定義です。

定義:2人またはそれ以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステム

成立要件:①共通目的、②貢献意欲、③コミュニケーション

バーナード 経営者の役割

例えばあなたが入社する際、志望動機を述べたはずです。その志望動機は、自分がその会社を選んだ理由と、その会社にどう貢献できるかをまとめたもの。これはあなたが、その会社の目的に賛同し、それに向かって自分も貢献したいという意思表示と言えます。会社側があなたの意思を認めることで、無事に入社することができているのです。

同じように、あなたの会社の同僚はみな共通の目的に向かって労働力を提供し、コミュニケーションを図りながら活動を行うために集まっている、ということです。

組織の運営のベースが以上の説明になります。ここでは簡単な説明にとどめますが、会社における報酬、評価、方向性や利害関係者とのかかわりなどは、このベースをもとに展開されるものです。

誰しも低い報酬では貢献したくありませんし、評価されないとモチベーションも上がりません。人数が大きくなるとコミュニケーションも取りづらくなりますし、統制をとるためにリーダーシップを発揮する人が必要になってきますし、代表して物事を決める人が居たほうが効率的です。

もちろん、フリーランスや一人株式会社といったように、一人でも経営は可能です。しかし経営学の分野では、2人またはそれ以上の意識的に調整された「組織」を基本として展開されていますので、この点は押さえておきましょう。