2019年2月25日のヤフーニュースで最も反響のあった記事の一つが『「お辞儀ハンコ」日本にはびこる謎のビジネスマナー』という記事でした。
これに対する世間的な反応は懐疑的なコメントが非常に多く寄せられており、賛同者を探すほうが難しいというものでした。
ヤフーニュースであったため、こうした反応を確認でき、その記事が間違っているのか正しいのか、一般的なのかそうでないのかが判別できます。ですがこれが一般雑誌や書籍内であれば、判断するのは自分自身の基準でしかありません。
とりわけ新入社員はこうした内容を検証する術がありませんから、信じるしかない状況もありますよね。
ビジネスマナーは基本だけを知っておけば大丈夫
ビジネスマナーは数えきれないほど存在しています。お辞儀の仕方や名刺の渡し方、入退室の方法など様々ですが、これらは入社研修で教わった内容を守るようにしておけば十分です。
というのも、「上司によって常識が変わる事が多い」からです。
ある上司は最低限のマナーが守れていれば特に指摘されることもしませんが、ある上司は「自分が育ってきた環境のマイナーマナーがすべて」だと思いこんでいる事があります。
そうした上司が「俺のいた部署ではハンコはお辞儀して打つものだった」と言えば、その下の部下の常識がハンコはお辞儀して打つものだ、というものに染まってしまいます。
一方で、ハンコはまっすぐ、曲がってはいけない、とする部署も少なくありません。
異動先でこの2つのマナーの板挟みにあう事も起こりかねないので、必要以上にビジネスマナーを知っても、現場では違うルールだったときに無駄になってしまうわけです。
ビジネスマナーの原点に立ち戻る
そうした時に、ビジネスマナーが一体何のためにあるのか、という原点に立ち戻れば、板挟みによるストレスも少なくなるでしょう。
ビジネスマナーは相手に失礼にあたらないように、また相手に敬意をもって接するためにあるものです。
郷に入っては郷に従え、というものはもちろん大切ですが、そのマナーが誰に対して存在しているものかを知る事が何より重要になります。
例えば部長はまっすぐなハンコをマナーと思っていて、課長はお辞儀したハンコがマナーだと思っている場合、課長が部長へ提出する書類はまっすぐであるはずです。ところが、この課長が部長に昇進した場合、部内のすべての人間がおじぎしたハンコを強いられる事になります。
一旦社外に出れば、まっすぐなハンコが大半なわけですから、その謎マナーが誰のためにあるのかを知っておかなければ自分が困る、というわけです。
一般的なお寺の参拝は二礼二拍手一礼ですが、出雲大社だけは二礼四拍手一礼である、というそこだけのルールが世間には溢れていますが、ビジネスマナーにも起こりえる、という事を知っておきましょう。