第11問
インターネットを利用するために光ケーブルあるいは CATV 等の WAN 側の回線を選択すると、その回線を LAN に接続する ONU やモデムが設置される。ONU やモデムに無線 LAN 機能が付いていない場合に、無線 LAN 環境を利用して複数 の PC や LAN 対応機器を接続したい場合には、無線 LAN ルータを設置・運用する。
この無線 LAN ルータの利用に関する以下の文章の空欄A〜Dに入る語句の組み 合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
設置された ONU やモデムに LAN 接続端子が装備されているので、ここから 無線 LAN ルータの WAN 側の接続端子に、LAN ケーブルによって接続する。 無線 LAN ルータに【 A 】の機能が付いている場合は LAN 接続端子が複数あるので、その数の PC や LAN 対応機器を接続できる。さらに多くの機器を利用したい場合は【 A 】を多段に接続し、使用可能台数を増やすことができる。
無線の到達距離を伸ばしたい場合は、複数の無線 LAN ルータを設置する。2台目以降の無線 LAN ルータはルータモードではなく【 B 】モードで使用するのが一般的である。
無線 LAN 環境を利用する場合は無線 LAN ルータにおいて、SSID の名称設定、【 C 】等の無線 LAN 接続の認証方法と暗号化方式の選択、および暗号化キーの設定を行い、近隣に設置された機器が利用している周波数と重ならないように【 D 】の変更を行う。
ONUがやや聞きなれない言葉ですが、光回線終端装置です。ISPから貸し出されるモデムなどは、無線LAN機能が付いていない場合があります。こうした状況下で無線環境を構築する時の基本的な知識についてです。
(実際にはBUFFALOなどのルーターを繋げばすぐに無線環境が構築できますが・・・)
ネットワーク用語の話になりますが、複数台の端末を総称してノードと呼びます。このノードをそれぞれつなぎ合わせる役割、仲介する役割を担う端末をハブと言います。
ハブは、ケーブルを流れる信号を中継するリピータと呼ばれる中継器を束ねたものなので、リピータハブと呼ばれたりします。
それだけでは例えば端末Aから送られたデータが、接続されたB,C,Dの全てに送信される事につながります。この時例えばそのデータをBだけが必要とする場合には、CとDへの転送は無駄になり、無駄なデータ量だけが増えてしまいます。
ここで、必要なデータは必要な端末にだけ送る、という機能を持たせたものがスイッチングハブです。必要な端末同士をつなげるので、無駄なデータが発生しません。MACアドレスの管理さえできれば、スイッチングハブを多段接続して何台でも繋げる事ができます。
ですがこれではケーブルだらけになって面倒、ということで登場するのが無線LANです。無線LANは1台で使う場合にはルータモードで使用しますが、広い場所では無線電波が届かなくなる場所も出てきます。この時に、届く範囲でもう1台無線LANを設置することで、電波の橋渡しが可能になります。これをブリッジモードと言います。
さて、無線LANにはセキュリティ上の問題があります。有線接続ならば信頼できるPC同士をつなげればその端末だけネットワークが構築できますが、無線LANは無線を受信できさえすれば誰でも使えてしまいます。それを防ぐために接続認証を使ってセキュリティ機能を活用します。
SSIDというのは、無線環境、アクセスポイントの名前のようなものです。どこにつなぎますか?ということですね。
無線LANには、WEP方式、TKIP方式、AES方式の3つのセキュリティ方法があります。AES方式が最もセキュリティ機能が強いとされ、現在も使用されています。この方式は、接続するための認証キーを暗号化する方法を示したものです。
次に、暗号化するにあたっての統一規格が存在します。それがWEP、WPA、WPA2という3つの規格です。
WEPは近年では脆弱性から使用されることがありません。これらのことから、セキュリティ上有効とされるのは下記の順とされています。
セキュリティが強い
WPA2 + AES
WPA + AES
WPA + TKIP/AES
WPA + TKIP
WEP
オープンネットワーク
セキュリティが弱い
さて、無線LANは電波ですから、同じ周波数の電波に影響を受けてしまいます。また高い周波ほど障害物の影響を受けやすいとされています。複数の電波がある場所で、影響を最小限にするためには、周波数帯を使い分けることがまず考えられます。この周波数帯をバンドといいます。
無線LANのバンドは2.4GHz帯と5GHz帯の2通りしかありませんし、特性上高周波帯のほうが速度が早いため、できれば高周波帯を使いたいというケースが考えられます。そのため、1つの同じ周波数帯をさらに使い分ける技術が用いられています。この使い分けに利用するのがチャネルです。