第2問 生産形態に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 少品種多量生産では、加工・組立の工数を少なくする製品設計が有用である。
イ 少品種多量生産では、工程の自動化が容易で、品種の変化に対するフレキシビリティが高い。
ウ 多品種少量生産では、進捗管理が難しく、生産統制を適切に行わないと納期遵守率が低下する。
エ 多品種少量生産では、汎用設備の活用や多能工化が有用である。
生産形態
少品種多量生産と多品種少量生産の特徴についてまとめた問題です。
少ない種類を大量に生産する場合に限らないことですが、加工や組立の工数を可能な限り少なくし、材料投入から完成までをいかに少ない工程で仕上げるかという事は設計段階から考えなければなりません。少品種多量生産では多品種少量生産に比べれば規模の経済の恩恵を受けやすいので、特にこの少ない工数での恩恵を受けやすいという事になります。
また、作る製品が少ないので、その工程に集中する事ができるので、自動化は容易にとりくめる一方、同じラインでできる事は限られるので、品種の変化に対する自由度は低くなります。
多品種少量生産では、少品種に比べれば管理しなければならない部分が多くなります。生産ラインを新設して作れる環境ならばまだ容易ですが、多くの場合は今稼働している設備を応用して新たな品種を作るので、例えば時間ごとに作る製品を分けたり、一部分だけ別の工程にしたりといった工夫が行われます。
ジュースで考えてみると、ジュースは材料が異なりますが、瓶に注入するラインは同じにできます。最初の3時間をオレンジ、洗浄して、次の3時間をりんご、洗浄して、という生産が可能です。しかし例えばオレンジのジュースに不具合が生じたとしても、りんごの生産をずらす事は難しいのです。
そのため、製品ごとの進捗管理が難しい上、作れる時間帯で想定される不良率の範囲に収めなければ納期遵守が難しくなる事も考えられます。
ただし、納期遵守が厳しくなったとしても、ライン新設するには巨額の投資が必要になるので、できるだけ汎用性の高い設備を導入したり、共通部品を使用したりといった工夫が有効になりますし、多くの製品に精通した人材(多能工)が求められます。
イが正解です。