第3問 プッシュ型管理方式およびプル型管理方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア プッシュ型管理方式では、顧客の注文が起点となって順番に製造指示が発生するため、余分な工程間在庫を持つ必要がない。
イ プッシュ型管理方式では、生産計画の変更は最終工程のみに指示すればよい。
ウ プル型管理方式では、管理部門が生産・在庫情報を集中的に把握する必要があり、大掛かりな情報システムなどの仕掛けが必要となる。
エ プル型管理方式では、稼働率を維持するための作りだめなどができないため、過剰在庫が発生する可能性は少ない。
プッシュ/プル型生産方式
プッシュ型、プル型は様々なところで使われる言葉なので混乱しがちになります。
ざっくりといえば、プッシュ型は需要を見込んで先に先に生産をしていこうというもので、プル型は需要の分だけ生産しようというもの。
生産において、初動は多くがプッシュ型管理方式(プッシュシステム)を採用します。(注文は無い状態で)ある程度の店頭在庫を見込んで、先に在庫を多く生産していく方法です。
初動からプル型管理方式(プルシステム)を採用するのが、受注生産方式になります。
この知識さえあれば、この問題は解く事ができます。
ア、に書かれている「顧客の注文が起点となる」のはプル型管理方式の特徴です。
イ、に書かれている「生産計画の変更は最終工程のみに指示」というのもプル型管理方式の特徴となります。
ウ、に書かれている「管理部門が生産・在庫情報を集中的に把握する必要」があるのはプッシュ型の特徴です。
エ、のプルシステムは、在庫を作らないので過剰在庫が発生しません。
プル型のほうがリスクが少ないように見えがちですが、注文が入ってから生産が始まるため、納期が長期化しやすく、また大量の注文が入った場合には在庫切れを起こしやすいというデメリットがあります。
プッシュ型は在庫を抱えてしまうデメリットが見えがちですが、一度に想定した量を生産できるので、仕入れや生産コストを抑えたり、短納期化しやすいというメリットがあります。
エが正解です。