第38問
物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 仕分けとは、物品を品種別、送り先方面別、顧客別などに分ける作業のことであり、シングルピッキングの後に行われ、トータルピッキングの後には行われない。
イ 棚卸方法の一つである循環棚卸は、実在庫量と理論在庫量の差異を補正するために行われる。
ウ 荷主は、物流センターの運営を物流事業者に委託するとき、委託先の物流事業者が所有する物流センターを利用しなければならない。
エ ピッキングとは、保管場所から必要な物品を取り出す作業のことであり、ピッカーが保管場所まで移動しなければならない。
物流センターのピッキング
物流センターは企業や扱う商材によって多様な形態をとります。ピッキングは倉庫の在庫棚から注文に応じた商品を必要個数だけ取ってくる作業の事をいいます。
近年ではAIの導入も進み、自動化も進んでいるので、荷物の場所に人が行くのではなく、荷物が人のものへ来るピッキングシステムも運用が進んでいます。
オーダーに対応したピッキング
シングルピッキングは1つのオーダーごとに商品収集を行う方法です。確実に1つのオーダーを完了できるので、オーダーごとに仕分けする必要はありません。反面、オーダーの数が大量になるほど作業者の動く距離が増えるデメリットがあります。
トータルピッキングは1つの商品を複数オーダー分をまとめて在庫置き場からピッキングし、仕分け場にてオーダーごとに商品を仕分けします。
倉庫のアウトソーシング
それぞれのメーカーは自前で物流センターを持つ必要はありません。
物流量が増えてきた時に、その需要に応じて物流機能をアウトソーシングするようになります。
荷主は出荷予定の商品をまとめて物流センターへ送り、委託された物流センターが荷主から受け取った配送情報をもとに配送を担当します。
既にある物流機能をアウトソーシング
現在荷主が自前で管理している物流センターがある場合、その機能だけを運営代行する業者も存在しています。
そのため、必ずしも物流業者が持つ配送センターを利用する必要はありません。また配送センターを持たないサードパーティーも珍しくなく、人員の派遣サービスのみの提供という形を取る企業も存在しています。
棚卸方法について
棚卸は帳簿上の商品数と実際の商品数が合っているかを確認するものです。
在庫として置いてある商品は、入庫時の確認漏れ、紛失・盗難、破損や廃棄時の帳簿記載漏れ、出庫確認ミスなどによって、帳簿上との数値の誤差が生まれます。
財務諸表にも商品や仕掛品などで記載しなければならないため、棚卸作業は避けて通れません。
棚卸方法は一斉棚卸と循環棚卸という大きく2種類の方法が一般的です。
一斉棚卸は、棚卸する日を決め、その時に全在庫をまとめて管理修正します。その際商品数や在庫量が多い企業ほど負担が大きく、場合によっては1日から数日、棚卸調査のため事業を止める必要があります。
循環棚卸は、棚卸する範囲を細かく決めておき、細かく棚卸を実施するため、営業を止める必要が無く在庫の管理修正が出来ます。
日々の営業の中で、 実在庫量と理論在庫量の差異を補正する目的で行われるものです。
よって正解はイとなります。