第40問
従来のバーコードでは実現が困難であった高度な商品等の管理や業務の効率化を実現するツールとして、近年、電子タグ(IC タグ、RF タグ、無線タグなど)が注目されている。この電子タグの特徴に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 電子タグの IC チップには、メモリが搭載されており、識別情報などを記録することができる。
イ 電子タグは、金属で被覆しても、通常非接触で読み取り可能である。
ウ 電子タグは、必要に応じて、メモリに書き込まれたデータを保護し、セキュリティを強化することができる。
エ 電子タグは、無線を使って通信するため、非接触で読み取り可能である。
オ 電子タグは、用途に応じてカード型やボタン型の形状が存在し、小型化や薄型化も進んでいる。
ICタグで経営を効率化

ICタグによって経営を効率化させる動きは益々強くなっています。
一度に大量にデータを読み込む事ができ、非接触スキャンが可能なので、労働力が減少している今、短時間で多くの商品を処理できる事に期待が集まっています。
技術の進歩も目まぐるしい業界なので、試験の際には情報のアップデートを心掛けたい分野でもあります。
RFIDの特徴
RFIDとは、RFタグ、ICタグ、無線タグなど電子タグとその読み取り機の総称です。
1枚当たりの単価は2018年現在でロットや種類にもよりますが10円台が登場しているところで、2025年までに1円を目指す企業もあります。
ロットが少なければ200円/枚~300円/枚もあり、どれだけこれを下げられるかが、自動化への1つの問題と言われています。
2018年に入り、金属面にも貼付できるICタグや、繰り返し洗えるICタグ、曲げても使えるタグが開発されるなど進歩が続いています。
技術的には10mの距離からでも読み書きが可能なうえ、複数タグの同時読み込みもできます。
ICタグにはそれぞれメモリが備わっており、不揮発性なのでデータが消えません。
ICの読み書きの際に情報を暗号化させる事で、悪意による書き換えや読み取りを防止する機能を持つものもあります。
コンビニから鋼材、赤ちゃんまで
当面の注目はコンビニエンスストアの自動決済で、単価の低い使い捨てICタグの利用が待たれるところです。
レンジで温めるものをどうするか、熱い缶にも付けられるか、付け替えをどう防ぐかという点などが課題になっています。
最近では、ボルトにRFIDが埋め込まれていたり、乳児の取り違え防止にRFIDを利用するなど、活躍の場が増えています。
今回の問題の答えは「イ」。
金属で被覆すると読み取れないものですが、技術的にはボルトへの埋め込みのように、被覆しても読み書きが可能なものも、近年では登場している事を覚えておきましょう。