アウトソーシングの問題 | 企業経営理論H28-9

第9問

企業は市場の変化に対応するため、限られた経営資源を特定の事業や事業領域に集中特化し、事業活動の一部をアウトソーシングすることがある。企業のそのような戦略対応に関する記述として最も適切なものはどれか。

アアウトソーシングすることによって、自社能力の適用の幅が狭くなり、顧客ニーズへの対応力も弱まるので、新規顧客の開拓が難しくなる。

イアウトソーシングする事業領域と自社で取り組む事業領域を峻別して経営資源を集中特化することによって、特定事業領域で独自能力の構築を目指すことが可能になる。

ウアウトソーシングによって外部の専門能力を利用する傾向が強まると、同種の社内能力を維持強化しようとする能力構築の動きが強まり、企業活動が活性化する。

エアウトソーシングを行い生産から販売まで一貫した事業に統合化することによって、事業の伸縮自在性が高まるので、外部環境の急激な変化に対応することができる。

アウトソーシングは外部委託のことです。企業が経営資源の問題から、特定分野において価値を高めることが難しいと判断した場合、また、コストの面において自社で行うよりも外部に頼る方が抑えられるとした場合、企業はその分野を事業として提供してくれる他社に任せることがあります。

アウトソーシングをすることによって、企業はより経営資源を集中することができ、強みを伸ばすことができます。自社よりも優れた対応をする企業にアウトソーシングを依頼すれば、顧客ニーズへの対応力も高めることが可能です。

また例えばウェブサイト構築から運営に至るすべてをアウトソーシングすれば、自社内でウェブ担当を作る必要がなく、自社の強みの部分に注力できるため、活性化につなげることができます。

ただし、何か変化を加えようとした場合には、そこは委託先企業の領域のため、その分野においては伸縮自在生が低く、また契約内容によっては変化に即時対応することが難しい場合もあります。即時対応したい場合には契約の解除や更新が必要な場合もありますが、その際にどの程度の違約金がかかるかなどは把握しておく必要があります。

アウトソーシングについては他社の１部門が社内に常駐するような形態もありますし、自社の情報を転送して加工してもらうような形態もあります。その際には情報漏洩のリスクや個人情報取扱いに関する規定などの確認をおこなうことも合わせて覚えておきたいところです。