第13問
企業組織における並列的部門間関係は、プールされた(pooled)相互依存、連続的(sequential)相互依存、相互補完的(reciprocal)相互依存の3つのタイプに分けられる。これらの部門間関係と組織編成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 相互補完的依存関係にある部門間では、頻繁なチームワークによる調整が必要になるため、各部門が同じ規則や手続きに従って行動するよう事前に調整しておく必要がある。
イ 相互補完的依存関係にある部門間の調整は、同じ専門能力を共有するために、各部門の管理者が直接顔を合わせて水平方向のコミュニケーションを頻繁に行う必要がある。
ウ プールされた相互依存関係にある部門間では、仕事は基本的にそれぞれの部門内で独自の規則や手続きに従って処理できるため、3つの相互依存関係の中で最も調整の必要性が低い。
エ 連続的相互依存関係にある多くの部門間では、事前の計画やフィードバックコントロールによる調整が必要になる。
オ 連続的相互依存関係にある部門間調整には、水平的なコミュニケーションの必要性が高いので、部門間で共通した規則や手続きに従って業務を遂行する必要がある。
組織編制
プールされた相互依存というのは、共同負担的依存性という学説のほうが「プールされた」よりは理解しやすいですね。
企業のとる組織形態というのは千差万別ですが、いくつか共通項は見つけることができます。例えば「直営店舗」という形態においては、銀行の支店も、百貨店の支店も、書店も同じ分類です。日常の業務において、本店と支店のやりとりはありますが、支店同士のやりとりはほぼありません。それぞれの部門(支店)は決められたルールや手続きに従って処理されます。銀行の金利や手続き手段が店舗によって違うことはあり得ません。
本社機能の経営資源を、店舗という形態で個別にプールしている、という状態です。
連続的相互依存は、一方向的な直接の関係がある逐次依存性という学説のほうがやはり分かりやすい。ライン作業をイメージすれば分かりますが、川上から川下に、一方向に業務が流れる組織です。部門で言えば、資材調達部門、組み立て部門、販売部門、サービス部門のように、ある種サプライチェーンを全て管理するような部門構成の場合これに該当します。それぞれの部門は事前に計画が必要であり、何か不具合が生じる場合などには情報共有が求められます。
部門間のコミュニケーションはある程度は必要ですが、部門間でやることが違うので、共通した規則や手続きの必要性はありません。
相互補完的依存関係は、双方向的な直接の関係がある相互依存性という学説もあります。それぞれが綿密なコミュニケーションを必要とし、チームワークで顧客へのサービス提供を行うものです。コンサート会場の運営のようなイメージが最適でしょう。演者に合わせて音響部、舞台装置部、照明部などがそれぞれコミュニケーションをとりながらそれぞれの業務を行います。それぞれの部門は水平的配置ですが、それぞれに規則や手続きがあります。専門能力もそれぞれに異なります。
少し理解が難しい部分ですが、答えはエとなります。