平成28年企業経営理論

マーケティングチャネルの問題 | 企業経営理論H28-26

第26問
マーケティング・チャネルに関する下記の設問に答えよ。

設問1

マーケティング・チャネルの構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア オーケストラの演奏者が用いるような高価な楽器を揃える店舗の商圏は狭小であるため、広くて長いチャネルを構築することが有効性を発揮する。

イ 卸売業者や小売業者にチャネル費用の一部を転嫁することができるため、広くて長いチャネルは、カバレッジ確保の上で有効であることが多い。

ウ 希少性の高い高級ブランドの衣料品や雑貨などでは、ブランドイメージのコントロール度を高く保つことを目的のひとつとして、選択的チャネルが採用されることが多い。

エ チャネルの広狭水準は、メーカーが販路として設定する地理的な市場の大きさによって規定される。

設問2

マーケティング・チャネルの管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア チャネル構成員との間でメーカーが相互浸透戦略を実行することは、チャネル・コンフリクトの抑制に寄与する。

イ チャネル構成員の動機づけと統制の手段には、大別すると、物理的パワー、情報的パワー、組織的パワーの3種がある。

ウ チャネル構成員を動機づけたり、統制したりするための手段となる経営資源のことをチャネル・スチュアードシップと呼ぶ。

エ 取引依存度モデルでは、メーカーが特定のチャネル構成員への販売依存度を高めるにつれて、そのチャネル統制力が上昇することが示されている。

マーケティングチャネルとは

マーケティングチャネルとは何か、簡単に言えばメーカーで生産されてから消費者に届くまでの流通経路のことです。
マーケティングチャネルが長いということは、消費者に届くまでの流通経路が長いということ。つまり仲介業者が多いということです。

マーケティングチャネルの幅が広いということは、消費者に届くまでの流通経路の幅が広いということ。つまり取扱を希望する企業と自由に取扱を認めているということです。

アですが、オーケストラの演奏者が用いる高額楽器についてですが、売っているお店がそもそも少ないので1店舗あたりの商圏は恐ろしく広くなります。限られた店舗にしか卸されないので、仲介業者の数は未知数ですが、幅は極狭となります。

ウですが、希少性の高い高級ブランドがブランドイメージをコントロールする場合、取扱い店舗を百貨店Aの都市部店舗のみなど、専属的チャネルが採用される。なおチャネルの制限には「開放的」「選択的」「専属的」の3通りがある。

チャネルの広狭水準は販路として取引したい企業を管理するかどうかによって決まるので、地理的要因によって規定されるわけではありません。

販路として設定される地理的な市場の大きさ、回りくどい表現ですが、簡単に言ってしまえば「商圏範囲」ですね。商圏範囲を広く設定すれば、それだけ多くの企業が途中関与することになります。これはチャネルの長さの話です。

相互浸透戦略はチャネル構成員との間での人的資源の交換など。

導入されたチャネル戦略を主体的に管理していくための手法をチャネルスチュアードシップと呼ぶ。チャネルリーダー、チャネルキャプテン。垂直的マーケティングシステム。

取引依存度が高くなると統制力が上がる。ただ特定の構成員に販売依存度を高めるだけではなく、同一商品や類似商品から切り替えて専属で取扱をしてもらうことが必要になる。

設問1:ア
設問2:イ