第1問 株式の併合又は株式の分割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 株式の併合によって発行済株式総数は増加し、株式の分割によって発行済株式総数は減少する。
イ 株式の併合又は株式の分割があっても、資本金額は変動しない。
ウ 株式の併合を行う場合には取締役会の決議で足りるが、株式の分割を行う場合には株主総会の特別決議が必要である。
エ 株式無償割当てにより、株式の分割の目的を達成することはできない。
株式の併合と分割
株式の株数が多すぎることや、株価調整を行う場合などで株式の併合を行います。
株式の併合は2株を1株にする、3株を1株にするなど、株数を少なくすることを指します。これは発行済株式数の減少を意味していますが、理論上の株価は併合した分上昇するため、時価総額には変わりありません。
株式を分割する場合にも、1株が2株や3株に分割され、理論上の株価も均等割されるので同様のことが言えます。分割については不利益を被る株主が出ることは一般的ではないため、株主総会の普通決議や、取締役会の決議で決定することができますが、株式併合については、不利益を被る株主が出ることが考えられるため、株主総会の特別決議が必要になります。
保有株数に応じて株式を無償で割り当てる無料割当てがあります。企業の利益配分の目的などで行うものですが、自己株式に対しては割り当てが行われません。目的としては株式分割と同じ効果を達成できます。不利益を被る株主もいないことから、こちらも分割同様に普通決議で良いとされています。
以上のことよりイが正しいと言えます。