第4問 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、新株発行による資金調達を行おうとしているX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
設問1 会話の中の空欄AとBに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:1 B:2,999万9,999
イ A:300 万 B:2,700 万
ウ A:1,000 万 B:2,000 万
エ A:1,500 万 B:1,500 万
設問2 会話の中の下線部に関連し、最も適切なものはどれか。
ア 資本金の金額によって、監査役設置会社において会計監査人を設置しなければならないかどうかが影響を受けることはない。
イ 資本金の金額によって、個人情報の保護に関する法律に定める個人情報取扱事業者に該当するかどうかが影響を受けることはない。
ウ 資本金の金額によって、下請代金支払遅延等防止法によって保護される下請事業者に該当するかどうかが影響を受けることはない。
エ 増える資本金の額が多くなっても、資本金の額の変更に係る登記に要する登録免許税の金額が増えることはない。
株式払込における資本金繰入れ額の算出
この部分は財務会計とも重なる部分なので解ける方が多いだろうと思いますが、株式払込における資本金の額に繰り入れる額は最低でも半分以上と決められているので、エの1500万円が正解となります。
なお、配当する場合には、資本金の4分の1に達する額か、配当額の10分の1の額を準備金に積み立てなければなりません。
資本金の額が影響するケース
監査役設置会社において会計監査人を設置することが義務付けられているのは大企業ですので、資本金の金額によって影響をうけることがあります。
個人情報保護に関する法律については、法改正があり厳しくなっていますが、基本的に全ての事業者が影響を受けるので資本金の金額で影響されることではありません。
下請け企業に該当するかどうかは、元請け企業と下請け企業の資本金の額によって影響を受けます。
また登記の際の登録免許税は資本金の額を元に計算されます。株式会社を設立する場合には最低15万円か、資本金の額の1000分の7の額が必要であると定められています。
よって答えはイとなります。