第5問
2種類の財(A 財と B 財)を用いて、物価指数を計算する。これらの財の数量と単位当たりの価格は、基準年と比較年でそれぞれ以下の表のとおりであった。基準年の物価指数を 100 とした場合、比較年の物価指数として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

解答群
ア ラスパイレス指数では 99、パーシェ指数では 100
イ ラスパイレス指数では 99、パーシェ指数でも 99
ウ ラスパイレス指数では 100、パーシェ指数では 99
エ ラスパイレス指数では 100、パーシェ指数でも 100
物価指数を簡単に考えてみる
物価が上がった、物価が下がった、という表現があるのは、比べられる比較対象物があるからですよね。
缶コーヒーも100円から130円になっていたりすると、物価が上がったと実感するものですが、これを計算式に当てはめてみると、130円 ÷ 100円 となりますよね。100円だった頃の何倍物価が上がったかを知りたいわけですから。
ここまでが基本的な物価計算のお話です。ちなみに上の例だと、1個買うのに1.3倍のお金が必要になったね、といえます。
さて、ここで試験泣かせの2つの考え方が出てきます。
ラスパイレス指数とパーシェ指数です。どっちがどっちだ?となりやすいポイントです。
分母が素直なラスパイレス指数
ラスパイレス指数の計算式は素直です。
基準時の数×比較時の価格
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基準時の数×基準時の価格
分母がどちらも基準時ですね。1缶130円の缶コーヒーだった頃に比べて、1缶150円の今はどれだけ物価が上がったの?と素直に問いかけるのがラスパイレス指数です。
比較が好きなパーシェ指数
それに対してパーシェ指数は現在のウエイトが大きいのが特徴です。
比較時の数×比較時の価格
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比較時の数×基準時の価格
分母の基準時の価格以外は全部比較時(現在)の数値です。2缶300円の缶コーヒー、昔1缶130円だった頃に2缶買ってたら、どのくらい物価が上がったことになるの?と問うのがパーシェ指数です。あの時パーシェ個買ってたら、と覚えると語感が良いので覚えやすいかもしれません。
2財の物価を調べる
今、A財とB財の2つの財があります。ラスパイレス指数で素直に求めてみましょう。
ラスパイレス指数
A財が、数量10×価格9 / 数量10×価格10です。90/100
B財が、数量10×価格11 / 数量10×価格10です。110/100
A財とB財を足すと、90+110 / 100+100 = 1 よって100%です。
パーシェ指数
パーシェ指数は今の個数を昔買ってたとしたら、という問いかけですから、
A財が、数量11×価格9 / 数量11×価格10です。
B財が、数量9×価格11 / 数量9×価格10です。
A財とB財を足すと、99+99 / 110+90 =0.99 よって99%となります。
ラスパイレス指数では 100、パーシェ指数では 99 となり、ウが正解になります。