平成28年経済学

ビルトインスタビライザー機能の問題 | 経済H28-10

第10問
財政制度の改正にはそれぞれの目的があるが、これは同時に、財政のビルトイン・スタビライザーの機能にも影響する。財政のビルトイン・スタビライザーの機能に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 子育て支援における低所得者向けの給付の拡充は、ビルトイン・スタビライザーの機能を低下させる。

b 所得税における最高税率の引き上げは、ビルトイン・スタビライザーの機能を高める。

c 生活保護における生活扶助費の引き下げは、ビルトイン・スタビライザーの機能を高める。

d 失業者に対する失業給付の拡充は、ビルトイン・スタビライザーの機能を高める。

解答群
ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd

ビルトインスタビライザー

ビルトインコンロ、ビルトインエアコンなど、ビルトインは住居関係でも使われる言葉で、予(あらかじ)め組み込まれた、という意味があります。

スタビライザーはカメラだと手ぶれ補正機能、自動車だと回転防止機能の言葉としても使われますが、安定装置のことです。

ビルトインスタビライザーは、経済学では景気安定装置のことで、累進課税制度や失業者への失業給付がこれにあたります。

景気が過熱しすぎないように好景気で消費をある程度抑制させたり、景気が後退した時にある程度消費に回るようにするための施策だと理解しましょう。

問題をとく

子育て支援での低所得者への補助金は、低所得者の消費を安定させる効果が期待されるのでビルトインスタビライザー機能は高まります。

所得税の最高税率の引き上げは、景気過熱によって消費の行き過ぎからインフレーションになりすぎないようにするのでビルトインスタビライザー機能は高まります。正解です。

生活保護に対する補助費は、消費の低迷を食い止める役割があります。

失業者への失業給付の取り組みは上の通りです。正解です。

bとdが正しいのでエが正解です。