平成28年経済学

正常財の需要曲線に関する問題 | 経済H28-12

第12問
いま、正常財と考えられる医療に対する需要曲線が下図のように描けるものとする。現状は実線で描かれている需要曲線上の点 A であり、同一の需要曲線上には 点 C もある。また、破線の需要曲線上には点 B が描かれている。この図を用いて 需要の変化の仕方を考察した記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

解答群
ア 医療の価格を引き上げたとき、医療に対する需要は、点 A から点 B まで移動すると考えられる。

イ 医療費の抑制が必要であることを需要者に説得できたとすれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点 A から点 B まで移動すると考えられる。

ウ 需要者の所得が増加すれば、医療に対する需要は、点 A から点 C まで移動すると考えられる。

エ 需要者の所得が増加すれば、たとえ価格が変化しなくとも、医療に対する需要は、点 A から点 B まで移動すると考えられる。

正常財とは?

テキストやウェブサイトによっては上級財と書かれることもありますが、実質的には異なる概念ですが、考え方は同じようです。

さて、正常財とは何かですが、所得の増加に伴い消費も増加する財のことを正常財と呼びます。所得が増えれば健康に気を使う人がほとんどです。健康な人ほど病院に行き、メンテナンスをします。検診も頻繁に受けますし、医薬品への消費も増えます。

点Aから例えば点Cに移動する時、医療価格が上昇しています。その分需要が減少している、と読み解くことができます。

今回は需要曲線が左にシフトしています。これは単純に需要が減少してしまったケースが考えられますから、それに当てはまる選択肢を探せば良いわけですね。

アですが、医療価格を引き上げただけでは点Cへ移動するので不正解です。
イですが、これは正解です。
ウですが、所得が増えれば需要が増加しますから、点Aの高さからそのまま右へシフトします。
エですが、点Bへ移動する場合、所得が減少していると考えられます。