第14問
下図には、相対的に緩い傾斜の需要曲線が破線で描かれ、相対的に急な傾斜の供給曲線が実線で描かれている。これら需要曲線と供給曲線の交点は、点 E として 与えられている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
解答群
ア 供給曲線が右下がりであるため、ワルラス的調整を通じて点 E へ収束する力は働かない。
イ 供給曲線の傾きが相対的に急であるため、「蜘蛛の巣理論」による調整を通じて点 E へ収束する力は働かない。
ウ 交点よりも価格が高いとき、需要量よりも供給量が多いため、価格調整を通じて点 E へ収束する力が働く。
エ 交点よりも数量が少ないとき、供給価格が需要価格よりも高いため、マーシャル的な数量調整を通じて点 E へ収束する力が働く。
右下がりの供給曲線
通常の需要供給曲線では、需要曲線が右下がり、供給曲線が右上がりになっています。
ですが今回は供給曲線が右下がりです。
これは、市場に供給する量が多いほど値段が下がる、ということを意味しています。電気ガスなどの公共サービスはこれにあたります。値段を下げることによって競争力にできるから成立するのですね。
さて、ワルラス的調整やマーシャル的調整は、需要と供給が不均衡である場合には、ワルラスは価格調整、マーシャルは供給量調整で均衡させますよ、というものでしたが、いずれの場合も均衡するのは供給曲線が右上がり、需要曲線が右下がりの時だけです。
それ以外はマーシャル不均衡、ワルラス不均衡になり収束しません。蜘蛛の巣もまた同様です。
ウが正解となります。