第7問 デフレーションからの脱却は、日本経済が抱える長年の課題である。デフレーションが経済に及ぼす影響として、最も適切なものはどれか。
ア デフレーションは、実質利子率を低下させる効果をもち、投資を刺激する。
イ デフレーションは、賃借契約における負債額の実質価値を低下させるので、債務を抑制する。
ウ デフレーションは、保有資産の実質価値の増加を通じて、消費を抑制する。
エ デフレーションは、名目賃金が財・サービスの価格よりも下方硬直的である場合には実質賃金を高止まりさせる。
デフレーションの効果
デフレーションは供給過剰、需要減少によっても起こるとされ、財・サービスの価格が低下します。財・サービスが売れなくなった場合、生産者利益が減少し、従業員の給与が減る、または失業者が増えるといった不都合が生じます。
この流れが繰り返し続くことをデフレスパイラルと呼びます。
デフレーションとなった場合、物価が下落する一方で金利は高止まりすることから、債務者の負担が増加し、負債額の価値が実質的に増加することとなり、債務返済を最優先として動くことから投資への対応が後手に回りやすくなります。
保有資産については実質価値が増加することとなり、消費を促進させることになります。
実質賃金と名目賃金の違い
一般的に支払われる給料の額面は名目賃金です。ここから物価水準の影響を差し引いたものが実質賃金となります。
名目賃金を物価水準で割ることで求められますが、物価水準が下がる時に名目賃金が下がりづらい場合は、実質賃金は高い水準を維持します。