第14問
下図には、総費用曲線が描かれている。生産が行われないときの費用は点 A で示されている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
解答群
ア AF を1とすると、BF が平均可変費用を表している。
イ 原点と点 C を結ぶ直線の傾きが限界費用を表している。
ウ 産出量 Q0 における可変費用は FG に等しい。
エ 産出量 Q1 における固定費用は、Q0 における固定費用に HI を加えたものである。
オ 点 C における総費用曲線の接線の傾きが平均費用を表している。
総費用曲線に関する理解
図表の総費用曲線において、費用は固定費用と可変費用に分類されます。これは財務でいうところの、変動費と固定費の関係と同じです。
まず0Aの高さは固定費にあたります。Q1の産出量においては、HIの高さ分が固定費、CHの高さ分が変動費となります。
Q0における固定費用はFGの高さ分であり、可変費用はGからまっすぐ上に総費用曲線に接する部分までの高さが該当するので、ウにあるような「FG」より多くなります。
固定費用と可変費用の合計を産出量で割った金額が、平均費用と呼ばれます。可変費用が変化し続けるので、平均費用は産出量によってまちまちですが、原点から総費用曲線の接点が1つになる点で最小になります。
総費用曲線のCの点の部分で可変費用は減少に転じます。なお、総費用曲線の接線の傾きは、1つ産出するごとに増える費用の増加分「限界費用」を表しています。
以上のことからアが残ります。平均可変費用は 可変費用/産出量 で示されるもので、その産出量における1単位あたりの可変費用のことです。三角形の比率は直角三角形の場合は1:2:ルート3で不変ですから、ABFとACHは同じ比率であると言えます。ACHにおける可変費用はCHで、平均可変費用はCH/ AHで求められます。これはABFにおけるBF/AFです。
AF=1とあるので、BFが平均可変費用になります。