第18問
商品には、新しく登場するものや、市場から姿を消すものがある。その過程を説明する下図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 右図では、当初、この商品の限界費用がとても高いので市場が成立していない。
b 左図では、技術進歩によって供給曲線 S がシフトするにしたがって、この商品の市場が成立する。
c 右図では、代替品の登場によって需要曲線 D がシフトすれば、この商品はやがて市場から姿を消す。
d 左図では、市場への新たな生産者の参入で需要曲線 D がシフトすることにより、市場が成立する。
解答群
ア aとb イ aとd ウ bとc エ cとd
特異な形状の需要と供給曲線です。左の図、右の図ともに、原点から高い価格の位置まで線が伸び、そこから供給曲線が始まっています。これは固定費がその分だけかかっている、ということを示しています。
左の図の場合、極めて高い価格でしか供給できず、安い価格で手にしたい需要とのミスマッチが起きており、需要と供給の均衡点がありません。この供給については、技術進歩などによって安く生産できるようになり、下方シフトした場合において成立する市場と言えます。
企業の新規参入によって供給曲線がシフトした場合でも固定費の削減は期待できず、消費者に極端な所得の増加が起きる場合などで需要曲線がシフトしない限り市場は成立しそうにありません。
右の図の場合、同じく高い位置からの供給で固定費が多いことがわかりますが、需要曲線も相応に高い位置から推移しており、市場は成立していることを示しています。
代替品が登場し、安い物を求めるために需要曲線が下(左)にシフトした場合には、やがて姿を消すことになるので、一刻も早い固定費の削減が課題と言えそうです。
以上のことから正解はウとなります。