第23問
少子高齢化と日本の経済・財政との関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 60歳を超えると年間収入が減少する傾向があるため、世帯主の年齢が60歳以上の世帯の貯蓄額は世帯主が60歳未満の世帯の貯蓄額よりも低い水準にある。
イ 生産性が一定のとき、少子化による労働人口の減少は GDP を減少させる。
ウ 高齢化の進行は、社会保障による所得再分配効果を小さくする。
エ 日本の年金財政は、積立方式であるため、人口構成の変化からの直接の影響を受けない。
60歳を超えると定年退職等の影響から年間収入は減少します。一方で、世帯主年齢60歳以上の世帯貯蓄額はそれまでの貯蓄額よりも高くなっています。
所得の再分配は高所得者から低所得者への富の再分配のことです。60歳以上の年間収入減少に加え、医療費の増加から、高齢化社会の進行は社会保障費が増大する傾向となります。
高齢者への対策として年金財政が採用されていますが、これは賦課方式であり、社会が支える方法を取っています。そのため労働人口の減少によってその仕組みが成り立たなくなる場合も考えられます。
こうした労働人口の減少は、企業の人手不足を招き、生産活動にも多大な影響を与えます。人手不足による倒産も増加するため、GDPの減少によって国力が損なわれることも十分に考えられることです。
以上のことから、正解はイとなります。