第8問 投資の決定に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a ケインズの投資理論によれば、利子率の低下は投資を増加させる。
b 資本ストック調整原理によれば、投資の調整速度が大きいほど、投資が減少する。
c 投資の限界効率とは、投資収益の現在価値の合計を投資費用に等しくさせる収益率である。
d トービンの q とは、企業の市場価値を資本の割引価値で除したものである。
解答群
ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
投資意思決定に関する理解
ここではいくつかの理論について正しい理解がされているかを問われています。
利子率の低下は投資を促進します
利子率の低下によって、投資する際に借り入れをしたとしても、返済金額は従来よりも下がるため、利子率の低下は投資を増加させます。IS曲線においては、利子率が下がることで投資が増大し、GDPが増えるという右下がり曲線であることからもこの理論は明らかと言えます。
投資は段階的に実施されます
投資するにあたって、目標となる投資額を全て1度にこなそうとする場合、材料費の高騰や進捗のだぶつきが出るなどして不都合が生じる。そこで目標となる投資額に現在までの投資額を引いた数字に投資の調整速度を掛けることで、段階的に投資していく方法がとられる。これが資本ストック調整原理。
調整速度が大きいほど投資される量が増えることになります。
投資の限界効率
投資の限界効率とは、投資収益の現在価値の合計を投資費用に等しくさせる収益率であるので正しい。
トービンのqは投資すべき判断を与えます
トービンのqは理論計算自体は難しいのですが、簡単に言えば、今の資本をそのまま再調達すると仮定した場合に、資本価値が新たに調達する場合の価格を上回れば投資するタイミングと言える、ということです。
企業の市場価値/資本の再取得価格で求めることができます。
よってアが正解。