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新・現代会計入門 [第3版] 著:伊藤邦雄|新入社員でも分かる経営学
ビジネス書レビュー

新・現代会計入門 [第3版] 著:伊藤邦雄

新・現代会計入門 [第3版] 著:伊藤邦雄

会計学の入門書として最適解

非常に有益な情報が豊富に掲載されている新・現代会計入門の第3版。

はしがきにも記載されていますが、一橋大学商学部、一橋大学大学院商学研究科MBAコース、中央大学ビジネススクールのテキストにも使用されているもの。

5部構成になっている本書は、読者層の設定が、学生、実務家、専門家(志望)の人を想定されています。少なからず簿記に触れた事がある人でなければ少しきつい内容かもしれませんが、 会計の最新事情が理解できる一冊です。

Amazonでも目次が見れず、また出版社でも大項目までしか紹介されていなかったので、目次のみ全紹介させていただきます。

目次

序 章 現代の企業会計
1.IFRSの浸透
2.広がる会計のインパクト
3.進むガバナンス改革
4.包括利益と純利益
5.ROEを梃子とした資本生産性の向上
6.変貌する証券市場と投資家の役割
7.不正会計の激震
8.非財務情報と財務情報の統合

第Ⅰ部 企業会計のパラダイム
第2章 企業会計の本質とフレームワーク
[ACCOUNTING TODAY]
1.繊細で多様な事業の言語
2.影響の双方向性
3.企業のタイプと機能
4.企業会計のプロセスと目的
5.企業会計の3つの機能

[ACCOUNTING TODAY]
1.収益費用観と資産負債観
2.会計観のダイナミックな変遷
3.利益が果たす役割
[THEORY AND HISTORY]
1.業績予想の公表が企業行動に与えるインパクト

第3章 会計制度の論理と体系
[ACCOUNTING TODAY]
1.会計の基礎前提
2.会計制度の法体系
3.企業会計原則と一般原則
4.会計基準の意義
5.会計制度と監査
6.内部統制の評価と監査
7.会計基準の国際統合化

[THEORY AND HISTORY]
1.IFRSの特徴
2.概念フレームワーク
3.会計基準の中立性

[FIELD STUDY]
1.事業会社と監査法人のせめぎあい
第4章 企業のディスクロージャー
[ACCOUNTING TODAY]
1.ディスクロージャー制度の革新
2.会社法にもとづくディスクロージャー
3.金融商品取引法にもとづくディスクロージャー
4.ディスクロージャーとインサイダー取引
5.自発的ディスクロージャーとIR
6.決算短信と業績予想

[THEORY AND HISTORY]
1.ディスクロージャーの基本要素
2.XBRLと適時開示

[FIELD STUDY]
1.事業構造改革を映し出す統合報告

第Ⅱ部 資源フローの会計
第5章 損益計算書のパラダイム
[ACCOUNTING TODAY]
1.損益計算書の役割と基本フォーム
2.IFRSでどう変わるか
3.収益の認識と測定
4.なぜ販売基準なのか
5.舞台の出番をめぐる好対照
6.費用の認識・測定基準
7.早々と舞台に登場する引当損
8.費用の期間配分
9.期間配分と会計政策
10.費用と収益のマッチング
11.利益と税金の対応-税効果会計

[THEORY AND HISTORY]
1.実現主義の変遷
2.会計利益の伸縮性
3.会計利益最大化・平準化仮説

[FIELD STUDY]
1.IFRS導入が財務諸表に及ぼす影響

第6章 経営パフォーマンスの測定と表示
[ACCOUNTING TODAY]
1.損益計算書によるパフォーマンス評価
2.売上高と売上原価
3.販売費及び一般管理費
4.営業外収益と営業外費用
5.特別利益と特別損失
6.包括利益
7.1株当たり利益の算定
8.キャッシュ・フロー計算書によるパフォーマンス評価
9.3つのキャッシュ・フローの意味

[THEORY AND HISTORY]
1.財務諸表の表示をめぐる挑戦
2.会計利益VSキャッシュ・フロー

[FIELD STUDY]
1.日本企業の中期経営計画の特徴

 第Ⅲ部 資源ストックの会計
第7章 貸借対照表のパラダイム
[ACCOUNTING TODAY]
1.貸借対照表の基本フォーム
2.流動・固定の分類
3.IFRSでどう変わるか
4.資産の評価基準
5.貨幣性資産と費用性資産の評価
6.負債の評価基準
7.純資産の部

[THEORY AND HISTORY]
1.資産・負債属性
2.公正価値の測定をめぐる挑戦

[FIELD STUDY]
1.IFRSの導入が貸借対照表に及ぼす影響

第8章 資産の会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.当座資産の会計
2.有価証券の会計
3.棚卸資産の会計
4.有形固定資産の会計-減価償却
5.有形固定資産の会計-減損会計
6.無形固定資産の会計
7.投資等の会計
8.繰延資産の会計
9.研究開発費等の会計
10.リースの会計

[THEORY AND HISTORY]
1.減価償却のファイナンス効果

[FIELD STUDY]
1.事業転換と資産情報のリンケージ

第9章 持分の会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.持分とは何か
2.金銭債務の会計
3.社債の会計
4.引当金の会計
5.純資産の部の区分
6.払込資本の会計
7.剰余金の会計
8.評価・換算差額等と新株予約権
9.株主資本等変動計算書

[THEORY AND HISTORY]
1.引当金論争
2.持分の区分-負債と資本

[FIELD STUDY]
1.資本構成の日米比較

第Ⅳ章 公正価値会計
第10章 金融商品の会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.金融危機と金融商品会計
2.有価証券の会計
3.デリバティブ取引の会計
4.ヘッジ会計
5.金融資産・負債の認識中止の会計

[THEORY AND HISTORY]
1.有価証券等の時価情報の開示
2.リスク・経済価値アプローチから財務構成要素アプローチへ

[FIELD STUDY]
1.政策保有株式をめぐる対話・エンゲージメント

第11章 従業員給付の会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.従業員給付とは何か
2.企業年金の仕組みとタイプ
3.退職給付債務・年金資産の測定
4.退職給付費用の測定と認識
5.数理計算上の差異・過去勤務費用・会計基準変更時差異の認識
6.退職給付引当金の計上
7.ストック・オプションの会計

[THEORY AND HISTORY]
1.負債概念の拡張

[FIELD STUDY]
1.未認識債務の形状が企業に及ぼす影響

第Ⅴ章 グループ・グローバルの会計
第12章 連結グループの会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.連結会計ダイナミズム
2.連結の範囲
3.決算日・会計処理法の親子間差異
4.連結貸借対照表の作成
5.資本連結の手続き
6.連結損益計算書の作成
7.持分法の適用
8.連結財務諸表の注記事項
9.セグメント情報の開示
10.グループ法人税制

[THEORY AND HISTORY]
1.親会社概念とエンティティ概念
2.支配概念と連結の範囲

[FIELD STUDY]
1.持株会社の財務諸表

第13章 企業結合・事業分離等の会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.M&Aをめぐる新潮流
2.企業結合の会計
3.事業分離等の会計
4.企業組織再編の税務

[THEORY AND HISTORY]
1.企業結合会計をめぐる対立とコンバージェンス
2.無形資産の測定と開示

[FIELD STUDY]
1.のれんの非償却が財務諸表に及ぼす影響

第14章 グローバリゼーションの会計
[ACCOUNTING TODAY]
1.日本企業のグローバリゼーションと為替換算
2.外貨建取引の換算
3.在外支店の財務諸表項目の換算
4.在外子会社等の財務諸表項目の換算
5.為替予約の会計

[THEORY AND HISTORY]
1.各種の換算方法とその変遷
2.二取引基準と一取引基準

[FIELD STUDY]
1.グローバル経営の企業業績

終 章 戦略的企業評価に向けて
1.企業を見る目-イメージか財務的裏付けか
2.ファンダメンタル分析の基本的タイプ
3.財務分析ピラミッド
4.安全性分析と倒産予測力
5.資産活用の効率性と生産性の分析
6.収益性分析
7.成長性分析
8.総合評価
9.財務諸表分析と企業の会計政策
10.新たな企業評価指標の台頭

[分析の実例と活用]
1.製薬業界のファンダメンタル分析
2.成長性分析
3.安全性分析
4.効率性・生産性分析
5.収益性分析
6.グループ経営分析
7.総合評価にかえて

目次のボリュームが多いのですが、全724ページとなります。

株主から学生、企業家から専門職まで

読了した上での感想としては、株式投資をする投資家は読むべき内容だと思います。

世間で出回っている「財務諸表が分かる本」の根幹の部分を理解するにはこの書籍ほど最適なものはありません。

「なぜ?」を底まで深掘りしてこそ理解できる

ビジネスにしても、勉強にしても、「なぜそうなのか」を理解することは非常に重要ですよね。

例えば有価証券。売買目的有価証券は時価が評価基準となっているのに、満期保有目的債券は取得原価で評価されます。本書ではそれが「なぜそうなっているのか」まで説明してくれています。

本書442頁には「売買目的有価証券とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有している有価証券のことをいう」と定義で説明が掲載されています。

物が売れたらいつ収益に認識されるのか

また例えばなぜ収益は「販売基準」なのかという点についても詳しく説明がなされています。

我々は当たり前のように「物が売れたら売り上げ」と思っています。ですがそれは深掘りすればいつの時点なのか、なぜそのタイミングなのかまで考えることはしません。

収益が上がるタイミング
画像:当サイト作成

単純に我々は「売れた時」のタイミングで収益を認識します。ではなぜ「支払われた時」ではいけないのか。企業対企業の取引では掛け売りが良く行われますが、実際に回収できた時点でないのはなぜなのか。

そうした「なぜ」をあらゆる場面で問いかけてくれます。

企業の財務諸表の見方や仕組みが分かる

企業の業態によって、その費用や収益の認識に様々な差異が出てきます。それぞれの勘定科目の意味や捉え方の基礎や成り立ちが理解できるようになり、会計基準の成り立ちや意味が分かるようになれば、財務諸表から見えてくる景色が少し変わってきます。

企業がIRに何を載せるのか、いつ発表するのか、どう分析したのか、そういった情報の端々からも、企業が今どう動いているのかが読み取れるようになってきます。

企業分析に携わる上では、この一冊は必読です。

企業会計原則と国際会計基準、これまでとこれから

今はもうグローバル化社会で、中小企業でも国際展開している会社は珍しくありません。そうした中で、企業の会計のよりどころであった企業会計原則も変化を余儀なくされ、毎年時代にあった形へ変化を遂げています。

それと同時に、今や海外の投資家も無視できない状況にあり、また海外企業との連携やM&Aも進む中で、海外で展開する企業と本国とのずれを無くすための取り組みから、会計基準を国際的に統一しようとする動きが激しくなっています。その一つが国際会計基準です。

そうした会計の変化を、この1冊で知ることが出来ます。今の財務会計がなぜ今の形に落ち着いたのか、それを知ることが出来ると同時に、理解することが出来ます。

タイトルに入門とありますが、この1冊で多くのビジネスマンは事足りるくらいに詳細に書かれています。

ビジネスに必要な知識として、英語、IT、そして会計と言われるくらい、会計の知識は必要とされています。

その知識の大半をこの1冊で得ることが出来るので、これから会計を学ぼうとする方にはぜひこの本をすすめたいと思いレビューしました。

もちろん中小企業診断士の試験対策としても有効だと認識しています。