ビジネス書レビュー

明解!経営戦略がわかる 著:池田忠

明解!経営戦略がわかる 著:池田忠

経営戦略は難しそう、何か読みやすくて入門書みたいなものは無いか、と探している方は、2013年の本ですがこちらはいかがでしょうか。

内容の割に評価が無く、おかげでAmazonでも1円出品されているお買い得な書籍です。

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経営戦略を消費者の立場から見る

第1章 経営戦略の基本について理解する
1-1 経営戦略とは
1-2 経営戦略の階層構造

第2章 経営の一般環境分析
2-1 あなたはどんな商品やサービスを買いますか?
2-2 企業視点からの経営戦略 -外部環境分析-
2-3 企業視点からの経営戦略 -PEST分析-
 事例 イオンの戦略
2-4 企業視点からの経営戦略 -価値システム分析(1)-
 事例 キングジムの戦略
2-5 企業視点からの経営戦略 -価値システム分析(2)-
 事例 富士フイルムの戦略
 事例 出版業界、印刷業会の戦略
2-6 企業視点からの経営戦略 -業界構造分析-

第3章 経営の成長戦略
3-1 あなたが買う商品やサービスは誰が提供していますか?
 事例 ブックオフの戦略
 事例 ゼビオの戦略
3-2 企業視点からの経営戦略 -事業ドメイン- 
 事例 CCCグループの事業ドメイン
3-3 企業視点からの経営戦略
 事例 医薬卸の調剤薬局への前方統合戦略
3-4 企業視点からの経営戦略 -多角化戦略-
3-5 企業視点からの経営戦略 -PPM-
3-6 企業視点からの経営戦略 -ビジネススクリーン-

第4章 市場での競争戦略
4-1 あなたはその商品やサービスを「誰」から「なぜ」買いましたか?
 事例 フォルクスの戦略
4-2 企業視点からの経営戦略 -経営の個別環境分析-
4-3 企業視点からの経営戦略 -顧客の分析(1)-
 事例 吉野屋の戦略
4-4 企業視点からの経営戦略 -顧客の分析(2)-
4-5 企業視点からの経営戦略 -競争戦略-
4-6 企業視点からの経営戦略 -3つの基本戦略-
 事例 JINSの戦略
 事例 アスタリフト(富士フイルム)の戦略
 事例 コスモス薬品の戦略
 事例 JR九州の戦略
4-7 企業視点からの経営戦略 -市場地位別戦略-
4-8 企業視点からの経営戦略 -製品ライフサイクル戦略-
4-9 企業視点からの経営戦略 -ゲーム論アプローチによる戦略-

第5章 顧客体験ベースの競争戦略
5-1 あなたはブランドイメージをどう形成し、なぜそれを買いましたか?
5-2 消費者の購買行動(1)
5-3 消費者の購買行動(2)
5-4 企業視点からの経営戦略 -顧客接点戦略-
5-5 企業視点からの経営戦略 -マーケティング戦略-
5-6 企業視点からの経営戦略 -広告販売促進戦略-
 事例 マツモトキヨシの戦略
5-7 企業視点からの経営戦略 -流通販売経路戦略-
 事例 ナックの戦略
5-8 企業視点からの経営戦略 -価格戦略-
 事例 スシローの価格戦略
5-9 企業視点からの経営戦略 -製品戦略-
事例 日本ケンタッキーフライドチキンの戦略

第6章 資源ベースの競争戦略
6-1 あなたはその商品やサービスが提供されるまでの舞台裏を知っていますか?
 事例 西松屋の戦略
6-2 企業視点からの経営戦略 -価値連鎖戦略(1)-
 事例 カウネットの戦略
6-3 企業視点からの経営戦略 -価値連鎖戦略(2)-
 事例 ダイソーの戦略
 事例 ツヤタの戦略
 事例 家電「ヤマグチ」の戦略
6-4 企業視点からの経営戦略 -経営資源の戦略
6-5 企業視点からの経営戦略 -組織学習論の戦略-
 事例 サントリーの戦略

以上が目次ですが、事例が多いのが特徴的です。ただ2013年時点での内容であることと、1つの事例は半ページ~1ページ程度なので、それぞれの項目に対する実際の企業の動きのサンプルといった具合です。

あなたは?

目次の中で「あなたは」「あなたが」という書き出しがあるように、本を買った消費者が、という立場から先にアプローチをされています。

人が商品やサービスを選ぶ理由はどこにあるのか、それを企業が戦略として考えるならどういう戦略が当てはまるのか。

例えば父の誕生日に行くレストランと、幼稚園生の娘が誕生日に行くレストランは同じでしょうか。

子供たちはハンバーガーが食べたくてマクドナルドに行きたがるのか、それともおもちゃが欲しいのでしょうか。

子供向けメニューがあるレストランの競合企業は?

今、子供向けの誕生日メニューを用意しているレストランがあるとします。お誕生日に来店してくれたらケーキが無料、おもちゃもプレゼントされ、スタッフがハッピーバースデーを歌ってくれる事で人気のお店です。

このレストランの競合企業は?と考えた時に、通常の経営戦略ならば「他に同じようなメニューを提供しているレストラン」となります。

ですが顧客視点で考えると少し変わります。

「誕生日の日だけどあちこち行くのが大変だから、近くの遊園地で一日過ごせばいいか。夕食もそこで食べて帰ろうかな。」

「見たいって言ってた映画を見て、フードコートで食べて帰ったほうが何もしなくて楽だわ。」

「誕生日だからバーベキューで特別な思い出を作ってやろう」

こうした点が、本書93ページには「真の競合他社」としてまとめてあります。そうした真の競合他社を知る事で、取るべき戦略もまた変わってくるよ、というのが本書に紹介されています。

なぜそのブランドを選ぶの?選ばないの?選ばれないの?

人が商品を買う時、多くの場合ブランドイメージに左右されています。

一部の消費者は、過去に賞味期限の偽装表示をした会社の商品を絶対に買いません。

一部の消費者は、テレビで特集された商品を積極的に購入していきます。

また一部の消費者は、見た事ない商品だという理由だけで購入することがあります。

そして一部の消費者は、見た事ない商品だという理由だけで購入しない事があります。

これはすべて消費者の購買意思決定プロセスによる結果です。

そしてこの評価は、意外と簡単に変化してしまうものでもあります。

これが本書では顧客接点戦略として紹介されています。

本来はなかなか理解しづらい範囲ですが、図説もあり理解が進みます。ただ1つ1つの項目は深くないので、入門書としておすすめしています。

経営戦略はあなたに価値を届ける活動

経営戦略は最終的に売り上げを上げるための活動とも言われます。本書では価値を届ける活動と定義されています。

経営学の中でも人気の高い分野でもありますが、消費者サイド、企業サイドのどちらから見るかによって、人によって捉え方が変わってしまう事もあります。

これを消費者サイドから捉える事で分かりやすく説明しているのが本書です。各章のはじめが消費者から見た行動、後半はそれに対して企業が取りうる戦略としてまとめられています。

大学生や経営戦略について広く浅くでもいいので読みやすい本を探している方にとっては丁度よいかと思います。組織学習まで範囲に入っているので今後の理解も進むはずです。

ビジネス書は小難しくて…という方は、少し古い本ですが原理原則はカバーされているので、手頃な価格で一読してみてはいかがでしょうか。

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