経営学を学んでいくうえで、大局を知ることはその後の理解に大きく役に立ちます。経営学の歴史は100年を超えました。テイラーが科学的管理法を提唱したことに始まり、ドラッカー、コトラーといった学者によりさまざまな経営理論が展開されてきました。
さて、現代社会ではスマートフォン一つで世界中の情報にアプローチでき、あなたのつぶやきも全世界の人に届きます。良いニュースも悪いニュースも瞬く間に拡散し、驚くほどのスピードで、サービスも技術も価値観でさえもアップデートされていきます。
その情報化社会において、企業は我関せずではいられなくなりました。企業は自己の利益のためだけに活動することを許されず、社会貢献が求められるようになり、また社会貢献によってさらなる利益につなげる機会を得るに至りました。
経営学の流れについて見ていくにあたり、「マーケティング」の変遷を見てみましょう。フィリップコトラーによると、マーケティングは「製品中心」から「顧客中心」、「人間中心」に変化し、そして現在、「企業と顧客のオンライン交流オフライン交流の一体化マーケティング」が重要だと提唱しました。
戦略論においても、個である企業から社会性への変化が大きな流れとなっています。「戦略と組織」という内面的な戦略論から、「組織と社会」という対外的な戦略論への変化のように広がりを見せています。企業の社会的責任やSDG’sの流れを見ても明らかです。
組織論においても、企業内部の人材についての観点から、今日ではネットワーク組織や外部資源活用の必要性が取り上げられるようになりました。組織は階層を作って統制する考え方だけではなく、フラットな組織で迅速かつ柔軟な対応も有効だという流れです。
経営学を学んでいくうえで、こうした広がりも楽しみながら学んでいけば、一見するとわかりづらい内容も理解しやすくなるでしょう。