資本資産評価モデルに関する問題 | 財務会計H28-12

第12問
資本資産評価モデル(CAPM)に関する下記の設問に答えよ。

設問1 資本資産評価モデルを前提とした場合の記述として、最も適切なものはどれか。

ア β = -1 である資産を安全資産と呼ぶ。

イ β = 1 であるリスク資産の期待収益率は、市場ポートフォリオの期待収益率と同じである。

ウ β = 2 であるリスク資産の予想収益率の分散は、β = 1 であるリスク資産の予想収益率の分散の2倍である。

エ 市場ポートフォリオのリターンが正のとき、β= 0.5 であるリスク資産の価格が下落することはない。

資本資産評価モデルとは何?

資産資本評価モデルの前にリスクプレミアムについて復習すると、リスクプレミアムは危険資産に投資する際に求められる「リスクに対する追加的リターン」でした。リスクとはこの場合期待されるリターンの可能性のばらつきの大きさでしたね。

CAPMは、市場全体のリスクプレミアムにβ係数を掛けたら個別証券のリスクプレミアムが出るよね、というものです。市場全体のリスクプレミアムの増加度合いを示す線を証券市場線といい、個別の証券がこの線より上にあれば割安、下にあれば割高となりますが、いずれの場合も、市場全体のリスクプレミアムの度合いである証券市場線に近づいていく、と考えられています。

さて、β係数ですが、市場全体の増加度合いと等しい場合はβ=1です。イメージとしては日経平均が上がれば個別株も同じだけ上がる、という感じでしょうか。

資本資産評価モデルは文系出身者にはちょっとハードルが高いように感じるかもしれません。

問題を解く

β=−1の場合、安全資産とは言えません。β=0は安全資産です。

β=1の期待収益率は市場全体の期待収益率と同じなので正しいです。

β=2の期待収益率は、β=1の期待収益率の2倍ではありません。

β=0.5 の場合、市場全体に期待される収益率よりも低いため、魅力がない銘柄だと判断されていることがあります。また、市場平均線を下回ると割高と見られている可能性があるので、価格が下落することがあります。ただ分散の話であるので、必ずしも値下がりするとは言い切れません。

設問2 資本資産評価モデルを前提とした場合、以下の資料に基づく株式の期待収益率として最も適切なものを、下記の解答群から選べ。

資 料

市場ポートフォリオの期待収益率:8 %
無リスク資産の期待収益率:3 %
β:1.4
実効税率:40 %

解答群
ア 4.4 %
イ 7%
ウ 10%
エ 11.2%

CAPMで計算してみよう

CAPMの考え方は、無リスク資産の上にどれだけリスクプレミアムを乗せるのか、ということですから、無リスク資産と、個別証券の増加分を計算してあげると良い。

無リスク資産の期待収益率は3%なので、

3%+個別証券分

とまずは置けます。

個別の期待収益率は市場全体の収益率にβをかけたものですが、それはリスクフリーレートの上に成り立っているので、その分を差し引きます。つまり、

個別証券分=(8%-3%)×1.4 となります。

合わせると、3%+7%となりますので、合計10%です。よってウが正解になります。実効税率は使いませんでしたね。

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