加重平均資本コストの計算手順に関する問題 | 財務会計H28-14

第14問
加重平均資本コスト(WACC)の計算手順に関する次の記述について、下記の設問に答えよ。
加重平均資本コストは、株主資本(自己資本)コストと他人資本コストを、その【A】に応じて加重平均することで求められる。加重平均に用いるのは、理論的にはそれぞれの【B】である。

また、他人資本コストには【C】を考慮する必要がある。具体的には、他人資本コストに【D】を乗じることで、【C】を考慮した他人資本コストを求める。

設問1 記述中の空欄AおよびBにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア A:運用形態 B:時価

イ A:運用形態 B:簿価

ウ A:資本構成 B:時価

エ A:資本構成 B:簿価

オ A:調達源泉 B:簿価

設問2 記述中の空欄CおよびDにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア C:節税効果 D: 1 – 限界税率
イ C:節税効果 D: 限界税率
ウ C:レバレッジ効果 D: 1 – 限界税率
エ C:レバレッジ効果 D: 1 + 限界税率
オ C:レバレッジ効果 D: 限界税率

WACC-加重平均資本コストの意味

加重平均資本コストは頻出部分なのでしっかり理解して得点源にしたいところです。

その前に、「加重平均」についておさらいした方が良いので、簡単にまとめます。

加重平均というのは「平均」を出す方法の1つです。

例えば隣り合った2つの塾があるとしましょう。
1つの塾は生徒が2人です。もう1つの塾は生徒が10人います。
同じテストを受けた結果、生徒2人の塾は平均90点、もう1つの塾は平均70点でした。

一方は2人で平均90点、一方は10人で70点です。このまま普通に計算すると、2つの塾の平均は80点ですよ、ということになりますが、それってちょっとおかしいですよね。だから加重(ウエイト)を掛けてあげる必要があります。

90点×2人+70点×10人/2人+10人=5180点/12人=約73点

それぞれの塾の合計点を出して、全員の人数で割ったものです。なんのことはない、普通の平均にしてあげただけの話ですね。

人数が多い方に平均は偏りますから、それをしっかりと反映させましょうね、とするのが加重平均法です。

これを資本コストに応用したのが加重平均資本コストです。

では資本コストって何?という話です。

資本コストとは何?

資本コストは企業が資金調達する際に伴うコストのこととされます。借り入れすると利息を支払うことになり、株を発行する時は株式交付費や配当金が必要になります。これら資金調達の方法に伴って発生するコストが資本コストです。

なので、加重平均資本コスト、というのは、いくつかある資金調達の方法を、それぞれの割合を加味させた平均値で把握しましょうね、ということです。

それが何の意味になるのか、という話ですが、例えば配当をしようとする場合、(時には無理して配当を出す場合もありますが)配当金と配当にかかる様々なコストを合わせた額を、資金調達額に対する割合で見るとしましょう。1億円資金調達する時の資本コストが1%の100万円だとします。企業はこの1%以上の収益率を上げていることが投資家から見れば価値があるということになります。

加重平均資本コストの計算式

加重平均資本コストには、自己資本、他人資本、それぞれの資本コスト、そして税率が主に登場します。

資本コストは基本的に時価で算出しますが、株価などは変動が大きいので、一定期間の平均額になることもあります。

分子に来るのは自己資本×自己資本コスト+他人資本×他人資本コスト×(1-税率) です。
分母に来るのは、自己資本と他人資本の総額です。

これによって導き出される答えは、その企業が資金調達をしようとする場合に必要となる平均のコスト率です。
なお、自己資本を調達する際には節税効果は得られませんが、他人資本を調達する時には利息の支払いが生じますから、ここで節税効果を得ることができます。そのため、1ー税率を掛けることで、コスト額の調整を行います。

以上のことから、設問1 ー ウ、 設問2 ー ア が正解になります。

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