財務・会計

共分散と相関係数 | 財務会計H28-15

第15問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、3つの投資案(投資案 A〜投資案 C)について検討している。各投資案の収益率は、景気や為替変動などによって、パターン1〜パターン4の4つのパターンになることが分かっており、パターンごとの予想収益率は以下の表のとおりであ る。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、各パターンの 生起確率はそれぞれ 25 % と予想している。

パターン1 パターン2 パターン3 パターン4
投資案A 2% 5% 11% 14%
投資案B 12% 7% 5% 3%
投資案C 4% 10% 22% 28%

設問1
投資案 A および投資案 B の予想収益率の共分散と相関係数の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア 共分散: – 15 相関係数: -0.95
イ 共分散: – 15 相関係数: 0.95
ウ 共分散: 15 相関係数: -0.95
エ 共分散: 15 相関係数: 0.95

共分散とは何?

共分散は2つのデータの関係性について表すもの、1つの事象が起こる時にもう1つの事象が起こり得るかといった確率の関係を表すものです。「学力が高い人は年収が高いか」といった2つのことに関係があるのかをデータをもとに示すものです。

それぞれ平均からの偏差の積の平均で求めます。

ここでいう2つのデータの関係ですが、問題設問1の「投資案A」と「投資案B」が2つのデータということになります。この2つの投資案が関係性があるのか無いのかを判断するということです。

「生起確率」は期待値ですが、考え方は同じです。

投資案Aは(2+5+11+14)X 25% = 8%

投資案Bは(12+7+5+3)X 25% =6.75%

これはそれぞれの「平均」を出したところなので、ここから差を求めましょう。

投資案Aのそれぞれのパターンから8%を引きます。同様に投資案Bのそれぞれのパターンから6.75を引いて、平均からの差を出します。

パターン1 パターン2 パターン3 パターン4
投資案A -6% -3% 3% 6%
投資案B 5.25% 0.25% -1.75% -3.75%

ここでようやく共分散が求められます。パターンごとにAとBを掛けたものを足していきます。その和に確率を掛けます。

(-6×5.25+-3×0.25+3x-1.75+6x-3.75)x25%=-15(共分散)

ここから相関係数を求める

相関係数は、 共分散/(Aの標準偏差)x(Bの標準偏差) の式で求められます。

標準偏差はばらつきを表す分散の√(平方根)でした。分散は平均からの差の2乗に確率を掛けたものでしたから、先の{(-6)^2+(-3)^2+3^2+6^2}*0.25を求めて√計算してあげたものをAとBで掛けてさらに共分散を割るのですが、試験時間は限られているので問題を一々計算するのは手間です。

ここで先ほど共分散はマイナスでしたね。そして、標準偏差は2乗するものを足して掛けるだけなので、標準偏差がマイナスになることはありません。つまり共分散がマイナスである時点で、相関係数もマイナスになることは、計算しなくても分かるのです。

よって、選択肢の中で両方ともマイナスなのはアしかありませんから、これが答えだとわかります。ちなみに相関係数は-0.95となります。

設問2
投資案 A および投資案 C に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 投資案 A と投資案 C に半額ずつ投資する場合も、投資案 C のみに全額投資する場合も、予想収益率の分散は同じである。
イ 投資案 A の予想収益率と投資案 C の予想収益率の相関係数は2である。
ウ 投資案 C の予想収益率の期待値は 64 % である。
エ 投資案 C の予想収益率の標準偏差は、投資案 A の予想収益率の標準偏差の2倍である。

さて、ここで先ほど計算にはなかった投資案Cが出てきます。意地悪です。
数字に注目すると、投資案Cは投資案Aの全てにおいて2倍になっています。
数字が2倍になるとばらつきも2倍になり、標準偏差も2倍になるので、ここはエが正解となります。