財務・会計

原価計算基準上の原価とは | 財務会計H28-6

第6問 原価計算基準上の原価に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 原価には盗難による損失も含められる。

イ 財務諸表の表示上、全部原価のみが認められている。

ウ 実際原価は実際に発生した原価であって、予定価格が使われることはない。

エ 総原価とは製造原価の合計額のことをいう。

原価は基本的に、正常な消費によるものという前提を持っています。では異常な消費とはどういうものかというと、火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失がこれらに該当します。その他にもありますが、ここで覚えておきたいもう1つの異常損失が「異常な棚卸減耗」です。基本的にこれらは特別損失で処理される項目です。

原価には、いくつかの目的に応じた種類があります。
実際原価-標準原価
製品原価-期間原価
全部原価-部分原価

実際原価と標準原価

実際原価は、実際に消費した量と実際に支払った価格、または予定している価格が使用されます。

標準原価は、標準的な消費量と予定価格や正常な価格を掛け合わせたもの。

実務上発生しうる値に近い計算は実際原価ですが、それが経営上良いものかを判断するためには、理想的な数値との差を求める必要があります。その理想的な数値が標準原価です。

全部原価と部分原価

全部原価は、製品サービスの製造や提供にかかる原価に加え、人件費等販管費まで含めた、生産に必要な要素となる原価全部のことです。財務諸表上には、全部原価にて計上することとされています。

部分原価はそのうちの一部を抜き出して計算したものをいいます。